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ベベを抱き「私のお姫さまです」と話す木下忠司さん=東京都内で
ベベを抱き「私のお姫さまです」と話す木下忠司さん=東京都内で
プロフィール

 きのした・ちゅうじ 1916年静岡県生まれ。「女の園」、「この広い空のどこかに」で毎日映画コンクール音楽賞受賞。ドラマ「水戸黄門」やアニメ「カリメロ」の主題歌なども作曲した。

木下忠司さんとベベ
 チワワ (メス 2歳)

添い寝をせがむ
甘え上手な姫君

 映画監督の木下恵介さんの実弟の忠司さんは、兄の作品の音楽を数多く手掛けてきた。20年前から山梨県の清里高原に住んでいる。夫人が東京を拠点に仕事をしているため、1人暮らしになることが多くなった。それで、2年前、チワワの「ベベ」を迎え入れた。

 「実は、40年ほど前、チワワを飼っていました。名前も同じベベでしたが、亡くなった時のつらさと言ったらなかった。あの苦しさや悲しさを考えたら、もう二度と犬は飼いたくないと思っていたのですが…」

 木下さんはそう言いながら、ベベにほおずりする。

 ベベという名前は、仏語で「赤ちゃん」という意味と、好きな女優ブリジット・バルドーのBBにちなんだ。

 ベベが清里の家に来た時は、木下さんのオーバーコートのポケットにすっぽり入るほど小さかった。以来、この器量よしのお姫さまは、木下さん夫妻をはじめ、客たちにかわいがられ、すくすくと成長した。

 人間が大好き。どんな客にもかわいがってもらえる術(すべ)を知っていた。

 「昼間はお手伝いさんが同伴してくるダックスフントのバディ君と仲良く遊んでいます。でも、夜になって私と2人きりになると、もう一緒に寝ましょうよと誘いにくる。テレビを見たり、本を読んだりして起きていると、何度も何度も呼びに来る。仕方がないから一緒に寝床へ…」

 ベベは木下さんとともに寝るが、木下さんが寝返りをうつたびに眠る位置を変え、最終的には、自分のハウスに避難している。そして、朝になると、喜びいさんでベッドに飛び乗り、木下さんの顔をなめて起こしてくれる。

 そこが木下さんにとってはまたかわいい。ベベのおかげで、すっかり早寝早起きになった。

 元気はつらつのベベ、食事はおいしい魚や生肉などをペロリと食べる。

 「ベベは超グルメ。それにみんなに甘やかされて人間の食べ物をもらっている。だから、少し太ったかな?」。木下さんがいうと、隣に座っていた夫人も同意する。

 ベベはそんな会話に、いくらか不満顔。人間の言葉を理解するようだ。ベベちゃんの性格は? 「わがままで、気が強くて、頭がよくて、美人で…」。忠司さんがそう言うと、「そう。私にそっくりなの」と夫人。

 夫妻にとってはかけがえのない宝物のお姫さまのよう。「最近はベベ姫ではなくて、メタボ姫?になっているけれどね」

 夫人の言葉にむっとしたベベは、いそいそとハウスに戻り眠ってしまった。(文・宮西ナオ子、写真・圷真一)