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「生きているかぎり、かわいがるよ」と杵屋左吉さん=都内の自宅で
「生きているかぎり、かわいがるよ」と杵屋左吉さん=都内の自宅で
プロフィール

 きねや・さきち 1953年東京都生まれ。父は五世佐吉。93年、七世佐吉を継ぎ長唄左門会家元に。珍しい三味線の収集家としても知られる。長唄協会理事。舞台情報などは本人の 公式サイト で。

杵屋佐吉さんとコムタン 猫(オス 11歳)

重ねた座布団の
特等席でお昼寝

 長唄三味線方の杵屋佐吉さんの家は、1階が稽古場、4階が日当たりのいい居間になっている。その居間の、窓から一番暖かい光が差し込む場所が、愛猫コムタンの特等席と決まっている。座布団5、6枚を重ねた上で、昼寝するのが日課だ。

 「窓から入る日光の動きに合わせて、少しずつ座布団を移動してやるんです。光がずれてくると、ニャーと催促するんですよ」

 黒猫のコムタンがごろんと姿勢を変えると、おなかの白いブチが見えた。「この模様が、うちの猫のチャームポイントなんです」と妻の里花さんが自慢する。

 コムタンは知人の紹介でもらった猫。好きな韓国料理から名付けた。

 「当時はもう1匹、ムーという猫もいましたが、ムーは息子たちとべったりなので、もう1匹欲しいなと思いました」

 そのムーは2年前、17歳で大往生。息子たちも独立し、今は夫婦2人だけの住まい。コムタンは孫以上にかわいがられている。

 そんなコムタンもすでに高齢で、最近の趣味は、鳥が出てくるテレビ番組をのんびり観賞すること。そのせいか一時期体重が10キロ近くになり、高栄養ドライフードから缶詰に切り替え、5キロまで減量させた。それ以来、健康体だ。

 「歯も気をつけています。前のムーが虫歯で口の奥が腫れて大手術した経験がありますから」

 きめ細かくコムタンの世話をする杵屋さん。これまでもケガしたカラスなど、たくさんの生き物を飼ってきた。その動物好きは筋金入り?で、虫さえも殺さない。幼少期から動物と触れ合ってきたからだろうか。

 「父も三味線をなりわいとしていましたので、動物に恩返ししたいと考えていました。実家には犬やウサギ、リスもいました。猫は多いときで27匹。春は3匹くらいがわっと子猫を産むので、どれが誰だか猫も分からなくなるみたいで、産んでいないメスまで子育てに参加して、助け合っていましたね」

 しかし、現在は「1匹のペットを家族で集中的にかわいがる主義」とか。

 「生きている間、とにかく一生懸命かわいがってやりたい。猫の一生は人の4分の1くらいしかないので、4倍くらいかわいがる気持ちがちょうどいいと思います。だから必然的に1匹になる。思う存分かわいがれば、死んだときも後悔しません」

 たとえ三味線の稽古中でも、コムタンが遊びにくれば、杵屋さんは相手をする。コムタンのため、外出もなるべくしない。猫の時間こそ、貴重なのである。

 (文・宮晶子、写真・高嶋ちぐさ)