ペット大好き!情報
いつも須磨さんにべったりのチャタロー。「最初、オスだと思って娘が名付けたんです」=都内の自宅で
いつも須磨さんにべったりのチャタロー。「最初、オスだと思って娘が名付けたんです」=都内の自宅で
プロフィール

すま・あきら 1948年東京都生まれ。慶応義塾大卒業後、NHKに入局。現在、NHKエンタープライズ・シニア・エグゼクティブ・プロデューサー。

須磨章さんとチャタロー 猫(メス 13歳)

気ままな関係に
癒やされる日々

 NHKの世界遺産の関連番組プロデューサーを務める須磨章さんは、知る人ぞ知る猫エッセイスト。猫雑誌への連載や、著書に「猫は犬より働いた」がある。一連の執筆活動のきっかけとなったのは、ペペとその子のチャタローとの出会いだった。

 13年前のある雨の日、須磨さん宅の玄関前でぐっしょりぬれてしゃがみこんでいた猫がいた。帰宅した須磨さんを見上げて「ニャー」と鳴いた。それがペペだった。

 猫に懐かれて、不思議な気分になった。実は須磨さんは大の猫嫌いだったのだ。

 「それまでは娘が猫を飼いたいといっても、ダメダメ!!と頭ごなしに反対してきました。猫は不気味な感じがして…。なぜペペに好意を持ったのか、今でも分かりません。年齢的な心境変化なのか。ただ、はっきり言えるのは、ペペの子育てが感動的だったことですね」

 ペペは須磨さん宅のベランダに子猫を3匹連れてきた。その1匹がチャタローだ。家族は子猫たちのため段ボールを置いてやった。最初はメスだと分からず、チャタローというオスのような名が付けられた。

 ペペは毎晩、子猫の眠る段ボールの上にりりしく立ち、寝ずの番をしていたという。

 近所の人に猫たちの不妊去勢手術を勧められ、動物病院へ。チャタローは足にケガをしたため、なめて傷口を悪化させないようにエリザベスカラーをつけられた。これをきっかけにチャタローを家の中へ入れ、ペペも家へ入ってくるようになった。

 一方、オスの子猫たちは人に懐かず、ベランダから巣立っていった。

 「ペペもチャタローもウチの猫になったとはいえ、毎日外に出ていました。猫は唯一、野生とペットの間を行ったり来たりしている動物ですから、その付き合い方はいろいろあるのが自然だと思います」

 ペペは老いて体が弱り、さすがに家族も外出をやめさせようとしたが、窓から外に出てしまった。間もなく家の近くで倒れていたところを見つけ、連れ帰った。翌日、家族でペペの最期をみとった。

 「死ぬときはちゃんと家に帰って来てくれたんだと思います」

 ペペの死後、チャタローと須磨さん夫妻の関係はますます深まっている。チャタローは常に夫妻どちらかのひざに座り、夜は布団に潜り込んでくる。

 「なぜ自分はこんなにチャタローに癒やされるんだろうと考えてみるんです。多分、猫は自分たちと別次元で生きているからではないでしょうか。人間のごちゃごちゃした思考などおかまいなしに、自分の気分のままでそばにいる。この関係が心地いいんでしょうね」(宮晶子)