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ササミちゃんと春風亭百栄さん。奥のカイ君は撮影を断固拒否=都内で
ササミちゃんと春風亭百栄さん。奥のカイ君は撮影を断固拒否=都内で
プロフィール

しゅんぷうてい・ももえ 静岡県出身。1995年七代目春風亭栄枝に入門。2008年真打ち昇進。新作落語に「バイオレンス・スコ」。猫派必読の漫画「くるねこ」の大ファン。

春風亭百栄さんと3匹の猫たち ササミ(メス 推定15歳)、カイ(オス 推定12歳)、モモ(メス 6歳)

まさかのピンチ
消防車が出動!?

 猫大好きな落語家として知られる春風亭百栄さんの愛猫は3匹。ササミ、カイ、モモ。

 「以前、東京都豊島区に住んでいた時、近くに猫おばさんがいて、十数匹の外猫に餌をあげていたんですね」

 毎日のように猫たちの社交界を観察していた百栄さんは、特に2匹の猫と仲良くなった。それがササミとカイだった。

 「ササミちゃんはとても人懐こく、近所の人たちにアイドルのようにかわいがられていた。いつもたくさんの餌をもらってくるので、猫仲間からも一目置かれ、尊敬されていた。一方、カイ君は、頭に潰瘍ができ、かゆそうに頭をかいていた。だから、もともとの名前はカイカイ。猫社会でもいじめられ、餌にもありつけない。ササミ姉さんの子分となり、お世話になっていた」

 観察しているうちに、「この子たちと一緒に暮らしたい」という思いが募っていき、ペット可の住居を探した。こうしてやっと探し当てたのが今の住まい。この2匹のための引っ越しだった。

 引っ越して4年、三遊亭円窓師匠の息子さんから「かわいい猫の赤ちゃんがいるから飼わない?」と持ちかけられた。それがモモ。「本当に生まれたばかりの子で、僕たちがおっぱいをあげて育てた」

 モモの面倒などを母代わりになってこまごまと見たのはカイ君。女の子のササミちゃんは、子育てが苦手らしく遊んであげるだけだった。モモはすくすく育った。

 モモは生後数カ月で避妊手術を受けた。手術直後は傷口を守るために特殊な洋服を着て窓辺で遊んでいたら、バサバサっと音がしたので、百栄さんが外を見ると、何と!? モモの衣服をつかみ、カラスが隣のビルの3階にモモを連れ去っていた。4羽のカラスに囲まれていた。思わず大声を出した百栄さん。

 驚いたカラスは逃げ去ったが、隣のビルからどうしたら救出できるかわからない。慌てふためいて、百栄さんは消防車を呼んだ。消防士は来てくれたが、「猫だから、そのうち下りてくるでしょう」とあきれて帰ってしまった。

 結局、猫好きの近所の人が脚立を継ぎ合わせて足場をつくってくれ、無事救出した。

 幼いモモには、恐怖の体験だったに違いない。以後、モモの性格が変わってしまい、極度の怖がりになり、百栄さんたちにさえ懐かないという。

 今回も残念ながら撮影時には姿を消した。シャイなカイ君も逃げ腰。でも、「3匹とも宝物。本当にかわいい」と百栄さん。ササミちゃんを頭に載せてうれしそうに笑った。(文・宮西ナオ子、写真・木口慎子)