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気難しそうな猫のリア。だが、朝倉さんとは心が通じ合っているようだ=都内の自宅で
気難しそうな猫のリア。だが、朝倉さんとは心が通じ合っているようだ=都内の自宅で
プロフィール

あさくら・せつ 1922年生まれ。東京都出身。舞台美術家。画、イラストや映画の美術などの分野でも幅広く活動。87年紫綬褒章を受章、2006年文化功労者に選ばれた。

ノルウェージャンフォレストキャット(オス 8歳、メス 6歳)

気ままな2匹も
朝には「おはよう」

 絵画や置物にクッションなど、猫をモチーフにした品が並ぶ舞台美術家の朝倉摂さんの自宅。これまでたくさんの犬や猫を飼ってきたが、すべてシェークスピアにちなんだ名をつけてきた。

 現在のペットは「リア」「コーデリア」という、2匹のノルウェージャンフォレストキャット。居間に入ると、そのリアがフサフサしたしっぽを揺らして登場。ライオンのように威風堂々、まさに王の貫禄(かんろく)だ。

 その横を、さっとかすめて2階に逃げ込んでいったのが、メスのコーデリア。こちらはお姫さまだけあって、安易によそ者と接触するのは控えているらしい。それで、リアだけの撮影になった。

 「リアは隠れはしませんが、なかなか一筋縄ではいかない。呼んでもすぐに来たりはせず、駆け引きを楽しんでいるようです」

 リア王だけあって、気難しい。朝倉さんが「写真を撮るからおいで」と言っても、顔をそむけたまま、しっぽを揺らす。だがそこは猫、間もなく気が変わり、飼い主の隣にきて座った。

 「基本的にもの分かりはいいんですよね。でもあまり無理なことをすると、かみつきます。ペットのシャンプーに連れていっても、コーデリアはおとなしいのに、リアは嫌がってかみつき、店の人から怖くてできませんと言われてしまい…」

 もともとベタベタするタイプではなく、夜も一緒に寝たりしない。その代わり、朝の挨拶(あいさつ)はきちんとするとか。

 「毎朝起きると、リアが居間に座って、『おはようございます』というように出迎えるんですよ。庭に出たがるので、ひもをつけて出してやります。外でいろいろ眺めるのが楽しいんでしょうね」

 一方、メスのコーデリアは家の中が好き。常に出入りするお弟子さんたちには、よくなついているそうだ。

 今、この家には犬がいない。ゴールデンレトリバーのヘンリーが16歳で死んでから、飼っていないという。

 「ヘンリーは特別な犬でした。留守番が嫌いなので、私といつも一緒でしたから。最期はがんで手術し、半年くらいがんばってくれました」

 ヘンリーの亡き後、ノルウェージャンフォレストキャットのブリーダーと知り合い、リアたちを飼うことに。

 「猫は相性が難しいけれど、2匹は仲良くなってよかった。夜中に追いかけっこしています。リアの方がすばしっこいと思いきや意外にドジで、階段を踏み外したりしていますよ」

 90歳に近づいた今も精力的に活動する朝倉さん。猫たちのシェークスピア劇もまだまだ続きそうだ。

 (文・宮晶子、写真・安江実)