ペット大好き!情報
松永忠一郎さんが抱くのがジュリ(左)とカゲチヨ。妻の愛弓さんが抱くのがモモ。前にいるのはヌーヌー。写真立てに思い出のトラ=都内の自宅で
松永忠一郎さんが抱くのがジュリ(左)とカゲチヨ。妻の愛弓さんが抱くのがモモ。前にいるのはヌーヌー。写真立てに思い出のトラ=都内の自宅で
プロフィール

まつなが・ちゅういちろう 長唄松永派三味線方。1969年東京都生まれ。3歳で家元九世松永鉄五郎に入門。75年に初舞台。93年、松永忠一郎を拝名。

松永忠一郎さんと7匹の猫たち。カゲチヨ (アメリカンカールのオス 8歳)、ジュリ(同メス 7歳)、ヌーヌー (ラグドールのオス 6歳)など

三味線のけいこ
終えたら遊んで

 長唄三味線方の若手として活躍する松永忠一郎さん。家には7匹の個性的な猫たちがいると聞き、東京都心の自宅マンションを訪ねた。

 玄関に陣取っていたのが、つややかなグレーの長毛のラグドールの「ヌーヌー」。声をかけてもびくともしない後ろ向きの背中は、「この涼しい場所を1ミリたりとも動く気はない」という固い意志を表しているようだ。

 居間では真ん中で手足を伸ばし、昼寝中の白黒猫が。くるりと上を向いた耳のアメリカンカールだが、名は「カゲチヨ」と和風である。「カゲチヨとヌーヌーは“お父さん猫”なので、態度が大きい?んですよ」と松永さん。

 カゲチヨの周りには、その妻子とおぼしき小柄なアメリカンカールたち。そしてキッチンカウンターの上や、冷蔵庫の上などしかるべき場所にも猫たちが収まっている。

 みな長毛猫の気質からか落ち着いており、ふんわりしたしっぽを優雅に揺らして歩く。流行の猫カフェを思わせる空間だ。7匹そろっての撮影は難しく、今回は4匹だけ。

 この猫ワールドが松永家に誕生したのは8年前、カゲチヨを飼い始めたのがきっかけだ。

 「結婚してまもなくのころです。私も妻も猫好きなので、捨て猫と縁があったら飼おうと探していました。でも、なかなか出会いがなく、近くのペット店でカゲチヨを見つけました。私の子どものころ、家にいたトラに似ていて…」

 トラは、松永さんの思い出の猫。元気なオスだったが、当時は今ほどきっちり健康管理をしないため、若いうちに病気で死んでしまった。松永さんは今もトラの写真をそばに置いている。

 「その後悔から、今度飼う猫は世話して幸せにしてやろうと。カゲチヨは、ボケッとして憎めない感じがトラに似ているんです」

 その後、カゲチヨと同じアメリカンカールのメス「ジュリ」や、ラグドールのオス「ヌーヌー」を迎え入れた。

 ブリーダーから繁殖を勧められ、カゲチヨとジュリの子が生まれ、「ウリ」と「モモ」と名付けた。その後、ウリとヌーヌーが夫婦になり、「モンタ」「ブルゴン」が生まれた。

 「ほかにも子猫が1匹生まれたんですが、すぐに死んでしまい、繁殖はやめました。将来は捨て猫も引き取りたいですしね…」

 三味線を生業とする松永さんは、猫には因縁がある。

 「猫に申し訳ないという気持ちと、感謝の気持ちがあります。でもそれ以前に、私たちは猫が好きで、一緒に暮らすのが楽しいんです」

 毎日、家で三味線のけいこをする松永さん。その間、猫たちはおとなしく聴いている。だが、練習を終えたとたん、待ってましたとばかり寄ってくる。

 「練習終わったんだから、かまってよと甘えてくるのが、本当にかわいいです」

 (文・宮晶子、写真・淡路久喜)