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「獅子丸、長生きしてね」と高橋恵子さん=東京都内の散歩道で
「獅子丸、長生きしてね」と高橋恵子さん=東京都内の散歩道で
プロフィール

たかはし・けいこ 女優。北海道標茶町出身、1970年デビュー。夫は映画監督の高橋伴明さん。10月3日~27日東京・日生劇場の舞台「カエサル」に出演予定。公式HPは こちら

高橋恵子さんと獅子丸 ラブラドルレトリバー(オス 14歳)

家族に幸せ運ぶ
奇跡の犬にラブ

 黒いラブラドルレトリバーの獅子丸、14歳。この犬種では相当の長生きおじいちゃんだ。しかし、至って元気ハツラツ、血気盛ん。女優の高橋恵子さんにひたすら熱い視線を送る。

 「わが家では夫が犬派、私は猫派だったんです。でも、8年前、獅子丸と初めて会った時、なぜだかわからないけれど、『やっと巡り会えたね』っていう思いがこみ上げてきて、自然に涙が出てきました。何とも不思議な感覚でした」

 獅子丸は、当時、高橋家で迎えたラブラドルレトリバーの子犬(のあ、現在8歳)のトレーニングのために依頼した訓練士の秋山徹さんが連れていた犬だった。

 初対面から不思議な感覚をもたらした獅子丸は、「恋のキューピッド」役として一役買った。秋山さんと高橋さんの長女、佑奈さんが恋に落ち、めでたく結婚。秋山さんはペットとともに引っ越してきて、高橋家と二世帯住宅に。

 高橋さんはこうして獅子丸と本当の家族になった。現在、高橋&秋山家には、獅子丸など5匹の犬と6匹の猫がいる。

 幸せをもたらしてくれた獅子丸のエピソードは尽きない。「奇跡の犬」でもある。

 数年前、獅子丸のお尻周辺に腫瘍(しゅよう)が飛び出し、獣医師からは「末期がん」を宣告された。家族は嘆き悲しんだが、「絶対に治す」と佑奈さんが毎日、患部に手を当てて癒やし続けた。そのかいあってか、腫瘍は消失した。

 喜んだのもつかの間、しばらくすると今度は、いきなりふらふらして何も食べられなくなった。

 高橋さんらは今までのペット飼育の経験から、食べなくなることで死を危惧(きぐ)した。犬は10歳を過ぎれば、覚悟をしなければならない。「もはや寿命か。やはり腫瘍が…」とみんなで泣いてお別れをした。何も食べず横たわる獅子丸。泣きながら見守る家族。

 ところが、獅子丸は突然、ガバッと立ち上がり庭に出て、一気に吐きまくった。驚いたことに吐しゃ物は泡まみれ。何と、風呂場にあったせっけんを全部食べてしまい、気持ちが悪くて食事が食べられなかったことが判明した。吐くだけ吐いてしまったら、何事もなかったかのように元気を回復した。

 「この子のために、何度泣いたことか。だから獅子丸のことを『涙泥棒』って呼んでいます。でも、いつだって不死鳥のごとくによみがえってくれる」

 愛(いと)おしそうに獅子丸を見つめる高橋さん。そして高橋さんにラブラブの獅子丸は、取材中もずっと恵子さんを守るように目を離さなかった。

 (文・宮西ナオ子、写真・石井裕之)