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公演準備で忙しいけど、もも(左)とさくらと一緒にリラックス=都内で
公演準備で忙しいけど、もも(左)とさくらと一緒にリラックス=都内で
プロフィール

ながみね・やすこ 1936年生まれ、福島県出身。作家、画家としても活動中。紫綬褒章、旭日小綬章などを受章。本文中の公演情報は本人の 公式サイト で。

長嶺ヤス子さんと愛犬、愛猫たち さくら(ポメラニアン、メス 11歳)、もも(ミックス、メス 8歳)

謝罪の念で保護
気付けば180余匹

 フラメンコダンサーとして約半世紀にわたり活躍してきた長嶺ヤス子さん。現在、生まれ故郷に近い福島県猪苗代町に猫170匹、犬13匹とともに住んでいる。

 「忘れもしない1980(昭和55)年2月19日の深夜。野良猫をはねてしまったんです。そのまま行こうかと一瞬思ったの。でも、すぐに身勝手さに気づき、必死で手当てをしたけれど、6時間後に息を引き取ってしまった。その子への謝罪もあり、猫の保護活動をしていたら、いつの間にか増えて…」 

 保護した猫が70匹、犬も5匹になり、もはや都内のマンションでは暮らせなくなった。それで、20年前、猪苗代に見つけた大きな住宅を犬猫専用に改造して自らも移り住んだ。長嶺さん本人や犬猫の世話をしてもらうための2人も住み込みで、大所帯に。

 とはいえ、都内での仕事も多い。2~3カ月、長い時は約半年も猪苗代の家に帰れないこともある。時間がある限り、家に電話をして、みんなの様子を1匹ずつ聞いて安心するという。

 今は、東京・新宿で7月2日に演じられる公演「夕やけ雲」の準備で忙しい。74歳になる長嶺さんが、古賀メロディーを20年ぶりにソロで舞うこともあり、長期にわたって都内に滞在中だ。

 実は、長嶺さん、東京にもお気に入りの“子どもたち”がいる。「長峰ヤス子ダンスカンパニー」を取り仕切る友人のワンちゃんたち。ポメラニアンのさくらとミックスのもも。毎日のように会いに行き、癒やされる。2匹とも人懐こく、頭がいい。

 忘れられぬ犬もいる。「もともとミニチュアピンシャーを飼っていたの。講演会や公演に連れて全国を回っていたんだけど」。17歳9カ月で亡くなり、新聞に死亡広告を出した。全国から100個もの花輪が来て、5人の僧侶に経をあげてもらった。18歳の誕生日のために用意していたホテルでのイベントは、急きょ、追悼フラメンコショーに変更になった。それらにお金をとことん費やしたと笑う。

 「実はね、猪苗代にいる子たちを養っていくには、人件費や、餌代、医療費に至るまで、相当のお金がかかるの。だから絵を描いて食べているわけ」

 長嶺さんの絵の中に登場するワンちゃん、ねこちゃんには、今まで共に暮らしてきた喜びと恩返しの魂が宿っている。さらにこの春、出版されたばかりの「シャナ物語」には、さまざまな動物の生や死が物語タッチで愛情深く描かれており、感動的だ。

 (文・宮西ナオ子、写真・高嶋ちぐさ)