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「2匹にとって、私は散歩の時の“親分”かな」。なべさんとゴジ(左)、ロクジ=自宅近くの遊歩道で
「2匹にとって、私は散歩の時の“親分”かな」。なべさんとゴジ(左)、ロクジ=自宅近くの遊歩道で
プロフィール

なべ・おさみ 1939年5月2日東京都生まれ、明治大演劇科卒。在学中から俳優、コメディアン、バラエティー番組の司会など幅広く活躍。タレントのなべやかんさんは長男。

なべおさみさんとゴジ、ロクジ 秋田犬(オス、6歳、7歳)

犬仲間を見守る
町内の人気者!!

 なべおさみさんの自宅は、小川沿いの遊歩道に面している。遊歩道側に小さな窓があり、ゴジ、ロクジという2匹の秋田犬がそこから顔を出して、外を見ている。遊歩道を行く人は2匹に目がいき、2匹も顔見知りが通れば、あいさつを交わす。「町内の人気者なんです」。飼い主のなべさんは目を細める。

 自宅庭にはチョウ、ハチや野鳥の来訪が絶えない。取材の時も、2匹はウグイスにワンと声をかけていた。

 秋田犬といったら、忠犬ハチ公が連想される。なべさんも「とにかく飼い主に忠実なんです。といって、媚(こ)びたりしない。凜(りん)としたプライドがあって」と強調する。散歩の時など他の犬が子どもに吠(ほ)えかかったりのルール違反を見つけると、ウーとうなり注意することも。なべさんは「正義感も強いんですよ。犬仲間の兄貴分なのかも」と話す。

 なべさんと妻の瑠実子さんは秋田犬の魅力にはまり、秋田犬と20年以上にわたりつきあっている。

 秋田犬との出会いは20数年前、子犬を秋田犬とわからず、偶然もらったこと。小型のミックス犬と思い、当時、子どもが好きだった怪獣ゴジラから名を取り、ゴジと名付けた。ところが、ズンズン大きくなり、秋田犬とわかった。ゴジは4歳すぎに、病気になり、手術をしたものの、死んでしまった。

 愛犬の死を悲しんでいると、執刀した獣医師が同じような白い秋田犬を紹介してくれ、再びゴジと名付けた。2代目ゴジである。白だけでなく、黒いのも欲しくなり、もう1匹迎え入れ、ロクジと名付けた。

 ある夜、2代目ゴジ、ロクジの2匹が夜中にワンワン騒ぐ。「夜に愛犬が騒いだら、必ず起きて様子を見ろ。そうしないと、ご主人は異変に関心がないと犬が思ってしまい、番犬の用をなさなくなる。そう聞いていたので、起きてみたら…」

 何とびっくり、裏の家が火事だった。急いで家族と避難した。大事には至らなかったが、妻の瑠実子さんは「ゴジたちは命の恩人だったかも」と語る。なべさんはそれを教訓に、今でも夜中に愛犬が騒いだら必ず起き、何もなくても、「よくやった」と犬を褒めることにしている。

 火事を知らせた2匹は10年以上生きた。今いるのは3代目ゴジ、2代目ロクジ。それぞれ名前を受け継いだ。

 なべさんは最近、所属事務所を変えた。俳優として心機一転をめざす。テレビのTBS系「水戸黄門」などのほか、今年9月には東京・明治座で舞台「女は遊べ物語」にも出演が決まった。秋田犬はなべさんの元気の源なのだろう。(文・草間俊介、写真・安江実)