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「この3匹は電器屋さんなどお客さんが大好きです」と話す山中さん夫妻。左からコジロウ、チロ、ムサシ=都内で
「この3匹は電器屋さんなどお客さんが大好きです」と話す山中さん夫妻。左からコジロウ、チロ、ムサシ=都内で
プロフィール

ジェームス・まさお・やまなか 1930年米国生まれ。米国で美容師をしていたが、美容学校創始者の親類の養子となり来日。同校校長を継ぐ。瑞枝さんとはロサンゼルスで結婚。

ジェームス・正夫・山中さん夫妻とムサシ、コジロウ、チロ 猫(すべてオス 10歳)

原宿のネズミは
僕らが捕まえた

 ジェームス・正夫・山中さんが校長を務める東京・原宿の美容専門学校「アーデン山中ビューティーアカデミー」。そのビルの駐車場に、猫が数匹、人の姿を警戒しつつ、じっと座っている。

 副校長で妻の瑞枝さんがビルから出てくると、みな小走りに走り寄って来た。夕食を待っていたのだ。

 「この猫たちは地域猫なんですよ。近所の方が面倒を見ていましたが、3年前に引っ越したので、うちが世話を引き継ぎました」という。

 駐車場の一角に寝床とトイレも設置され、まるで飼い猫のよう。だが、山中さんのいわゆる「飼い猫」は、ビルの上階の自宅にいた。

 居間に入ると姿のそっくりな3匹の茶トラの猫が、ソファにゆったりくつろいでいる。こちらは、知らない人間を見て逃げる様子はない。

 「3匹きょうだいなんです。ムサシ、コジロウ、チロ。雨の日にうちの前に捨てられていました。うちが猫を飼っているのを知ってて、捨てていったのでしょう」と山中さん。

 一家の猫との縁は、10年余り前、息子さんが中学生の時、猫を拾ってきたのが始まりだ。その猫はいま11歳になるメスの「ポロ」。シャイな性格で、いつも息子さんか娘さんの部屋にこもっているそうだ。

 「おとなしい猫だけど、人間を親だと思って、よく甘えます。洗面所で顔を洗っていると、耳たぶをなめてきたり」と瑞枝さん。

 「コジロウたちを拾って、こんなに飼うのは大変だなあと思って、もらい手を探したんですが見つかりませんでした。案の定、家の中は爪(つめ)とぎでボロボロ。でも次第にそういうことに慣れましたね。うちはもう、猫が何をしても怒らない。猫の天国です」と夫妻は笑う。

 もはや猫たちはどこでも出入り自由。夫妻が仕事で出ている間も、家の中を自由に行動できるよう、ドアの開け方をわざわざ教えたという。広いルーフバルコニーもある。以前はよく、ここから屋根づたいに遊びにいったとか。そのせいか、コジロウたち3匹はとても社交的だ。

 「だいぶ前ですが、近くのある官舎から、おたくの猫が来て困ると苦情を言われたことがありました。そこで、いつもおたくからネズミを持ち帰ってきますよと言ったら、その後は何も言わなくなりました」と夫妻。

 しっかり猫の仕事を果たしてきたコジロウたち。最近はさすがにネズミも捕ってこなくなったが、毎日バルコニーから都心の空を眺めて、老後を楽しんでいる風情。まさにここは、猫の天国かも。

 (文・宮晶子、写真・淡路久喜)