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リーダー格のトラ(手前)と、甘えん坊のハンサムに囲まれて、くつろぐ水谷八重子さん=都内の自宅で
リーダー格のトラ(手前)と、甘えん坊のハンサムに囲まれて、くつろぐ水谷八重子さん=都内の自宅で
プロフィール

みずたに・やえこ 歌舞伎俳優14代目守田勘弥を父に、新派女優水谷八重子を母に持ち、水谷良重として活動。1995年2代目水谷八重子を襲名。本文中の舞台情報はHP(「三婆」で検索)で。

水谷八重子さんとトラ、ハンサム ほか4匹の猫たち 猫(オス 推定11歳、オス 推定5歳)

私を選んだ『トラ』
特別な関係なの

 東京都心の水谷八重子さんのマンション。広い居間に入ると、天井まで届くキャットタワーが目に入る。大型テレビの前には、丸い猫ベッドが6つ並び、ソファやいすはすべて、フカフカの猫用カバーで覆われている。ここはまさに猫のための部屋…。

 猫ベッドでくつろいでいるのは、最古参の「トラ」。カメラを持って近づくと、余裕のカメラ目線を返してくる。一方、水谷さんのひざの上を独占しているのが、2番手のオス「ハンサム」だ。

 「2匹は微妙な関係なんですよ。トラは人懐こいけど、決してベタベタしない。だから、こうやって甘えるハンサムが気に入らないんでしょうね」と水谷さん。

 トラは、水谷さんのマンションの前をうろうろしていたノラだった。「うちに来る?」。声をかけると、すぐついてきて、家猫に納まった。

 その後に来た猫たちも、すべてノラ出身。ハンサムとチビは、マンションの中庭にいたカップルだった。

 「ハンサムもノラとは思えないほど人懐こく、チビはすっかり弱っていたので保護しました。でも、チビは何年たっても懐かず、寝ているときにちょっとでもなでようものなら、跳び上がって逃げていきます。心を許すのは亭主のハンサムだけ」

 今日も、チビの姿はどこにも見えない。

 キャットタワーに上って追いかけっこをしている3匹は、子猫のときに引き取ったきょうだい猫。名前は競走馬からとり、「ディープ」「パクト」「ガビ」。なるほど、体形もすらりとして元気だ。

 「みなかわいいですが、6匹のうち、トラだけが自分から飼い主を選んできました。だから、特別な心の通い合いを感じます」

 そのトラに昨年、悪性リンパ腫が見つかった。「化学療法をするかどうか、飼い主さんが決めてください」と獣医師に委ねられた。

 「私が預かった命、どうしてやるのが一番いいのか」。1週間考えた末、治療することに決めた。

 薬のせいで、自慢のヒゲが全部抜けた。だがトラの生命力は強かった。並行して行っている自然療法の効果もあってみるみる回復し、ヒゲも見事に再生した。

 「トラは治療食。あとの猫たちには、好みのフードを交ぜてやります。6匹が全員おいしそうにごはんを食べているのを見るときが、私の至福のときですね」

 3月は25日まで、東京・新橋演舞場で「三婆」に出演、来月19日には都内の「スイートベイジル」でライブを行う水谷さん。たくましく生きる猫たちに、エネルギーをもらっているのかもしれない。 

 (文・宮晶子、写真・梅津忠之)