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「空、もっとアイデアちょうだいね」と話すかずしげさん(右)とりえさん=東京都練馬区のメビウス・トーンで
「空、もっとアイデアちょうだいね」と話すかずしげさん(右)とりえさん=東京都練馬区のメビウス・トーンで
プロフィール

ゆさ・かずしげ 東京都出身。アニメーション作家/演出家。東京都練馬区に自らの事務所「メビウス・トーン」を構える。主な作品は「まんが日本昔ばなし」「にほんごであそぼ」など。
おおしま・りえ 横浜市生まれ。アニメーター。主な作品は「3丁目のタマ」「おじゃる丸」など。

遊佐かずしげ、大島りえ夫妻と空 ロシアンブルー(オス 10カ月)

アニメのモデル
スタッフも兼任

 今や世界に冠たる日本製アニメ。遊佐かずしげさんはアニメーション作家、大島りえさんはアニメーターとしてアニメ業界でこの夫婦ありと知られた存在。そして、愛猫の空(そら)も。かずしげさんは「猫ですが、制作スタッフの一員でもあるんです」と語る。

 空はロシアンブルー。エメラルドグリーンの瞳、光の加減で多彩に輝くつややかな毛並み、よく動くしなやかな尻尾(しっぽ)、従順だが気に入らないとプイとあっちへ行ってしまうプライドの高さ。猫好きなら一目で魅了されてしまうかも。

 「スタッフ」という理由は東海テレビなどで放映中のアニメ「くるねこ」の猫の動きは、空がモデルだからだ。

 くるねこの前、NHKの時代劇「陽炎の辻」のオープニング、エンディングのアニメを手がけた。登場人物を擬人化ならぬ擬猫化させた。足の運びや尻尾の動きなど猫らしい動きをアニメで表現するのは難しい。当時は空はいなかったので、近所の猫を探し、猫カフェに通い、動きや表情を観察した。

 「くるねこの仕事で、この際だから、猫を飼ってもいいかな、本物がいれば、モデルになるから」と昨年3月、小学生の子どもと一緒にペット店に。子どもが「今、あの猫と目があった…。私が世話するから」と言う。見ると、生後間もないロシアンブルー。夫婦ともその猫に一目で魅せられてしまった。

 かずしげさんがアニメの世界に入るきっかけは、小学生のころに、近所の人の縁で布川ゆうじさんという男性が目の前で「いなかっぺ大将」のニャンコ先生をスラスラと描いてくれたこと。布川さんがアニメーターという職業だと知り、強く印象づけられた。「それ以来、猫に縁があるのかも」。ちなみに、布川さんは現在、アニメ制作大手「ぴえろ」の社長を務めており、今もつきあいは続いているという。

 名前の「空」はロシアンブルーの「ブルー」(青)などから名付けた。期待通りにアニメづくりのヒントを?

 りえさんは「空、締め切りがもうすぐなの、何かアイデアをちょうだいと頼んでも。そこは猫、知らん顔です。最近はコツが分かってきて、じっくり見るよりも、何げなくチラッ、そうするとヒントとなるような動きをしてくれます」と笑う。

 また、かずしげさんがパソコンで作業をしていると、空が来て、画面のマウスの矢印を追い掛けたり、キーボードで「っっっっ」や「えええええ」と打ったり。「仕事に疲れた私を、空が遊んでくれているのかも。私も家の中を走り回ったりして…。空はやはりスタッフの一員なんです」

 (文・草間俊介、写真・朝倉豊)