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久しぶりの兄と妹の再会、ヤンチャビ(左)とマヤ、愛さんも楽しそう=東京都内で
久しぶりの兄と妹の再会、ヤンチャビ(左)とマヤ、愛さんも楽しそう=東京都内で
プロフィール

 いつみ・あい 女優、リポーター。1990~93年英国留学。2003~07年米国でリポーターとして活動。著書に「ゴンドラの詩」(祥伝社)がある。母の晴恵さんはエッセイスト。

逸見愛さんとヤンチャビ ダルメシアン(オス12歳)

私のきょうだい
心を癒やす存在

 1993年、がんで惜しまれながら亡くなったアナウンサー、逸見政孝さん。当時18歳だった娘の逸見愛さんは大好きな父親の亡き後、泣き暮らしていた。それで、「心の空白を埋めるためにペットを飼いたいとお願いし、家に来たのが、ダルメシアンのメス、シューキーでした」と話す。

 ダルメシアンはもともと母性愛が強いといわれる。シューキーはやがて性格が変わったかのように、おかしな行動も目立ち始めた。獣医師は「想像妊娠かも」と言う。

 「このままではかわいそう。そこで、シューキーに子どもを産ませることにしたんです」

 相手も見つかり、オスとメス4匹ずつの8匹の子犬が誕生した。

 「生まれたときは真っ白。ネズミの子のように小さかった。それが徐々に大きくなり、毎日がディズニーの『101匹わんちゃん大行進』のようでした」

 そのうち5匹はもらわれていった。食道拡張症という障害を持って生まれたオスのヤンチャビ、生後2カ月で複雑骨折をしたメスのパロマ、そして一度はもらわれたものの戻ってきたメスのクカ・クッキーが、母犬とともに暮らすことになった。

 さすがに母子4匹の犬の世話は大変だ。「毎日、自転車に乗って犬たちを走らせます。吠(ほ)え声も問題でしたし、フード代も、獣医師代もばかになりません-」

 愛さんは2003年、メジャーリーグをリポートする仕事を得て渡米した。しかし、母親の勧めもあって、07年に帰国した。

 「帰国後1年間は、愛犬たちとともに充実した日々を過ごしました。でも、昨年6月にクカが、がんで亡くなり、彼女を追うように、母犬のシューキーが肺炎で亡くなってしまい、それだけでも悲しかったのですが、今年の6月、心臓弁膜症を患っていたパロマが亡くなりました。こうして愛犬が次々に亡くなってしまったんです」

 かつてはにぎやかだった逸見家の犬たち。時は流れ、今はヤンチャビ1匹が残るだけになってしまった。障害を持って生まれ、「3カ月しか生きられない」と宣告されたのに、その子が今、愛さんの心を癒やしてくれている。

 「今日は久しぶりに、もらわれていったきょうだいの中でも、最も美人?のマヤちゃんと会えました」

 自宅近くの公園で再会した兄と妹。このところ相次ぐ愛犬の死によって、悲しい思いをしていた愛さんの気持ちも晴れた。「犬って、私にとってはきょうだい。いつまでも長生きしてほしいな」。愛さんはヤンチャビを抱きしめながら語った。

 (文・宮西ナオ子、写真・五十嵐文人)