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まるで置物のよう。大地監督とフラン=東京都杉並区のスタジオで
まるで置物のよう。大地監督とフラン=東京都杉並区のスタジオで
プロフィール

 だいち・あきたろう 1965年群馬県生まれ。主な作品は「おじゃる丸」(監督)、「おぼっちゃまくん」(演出)。「くるねこ」は7月11日から東海テレビで毎土曜午前11時40分から。


バーミーズ(メス10歳)、ミックス(オス9歳)

時にモデルに
時にきずなに

 猫好き老若男女から熱い支持を集めるマンガ「くるねこ」がアニメ化された。アニメで監督を務める大地丙太郎さんの東京都杉並区にあるスタジオを訪ねると、いました、いました、赤い首輪の猫ちゃんが。監督のひざの上でまるで置物のよう。名はフラン。「もう一匹、ブン太というミックスの猫もいるんですが、自宅の外へは出し難くて」

 大地監督は、アニメ「おじゃる丸」の監督も務める。

 くるねこのアニメ化にあたり、猫のリアルな動き、少し歩いたらふいに予想外な方向に動きを変える時のような“猫の間合い”までを出すように、アニメーターに求めた。監督自身がフランとブン太をじっくりと見た。

 猫の動きには個性がある。それをどう表現するか。スタッフと協議を続け、「研究の上にさらにまた研究を重ねた、と言えるところまでアニメーターがこだわり、猫が何を考えているか、猫の気持ちになって」-と話は尽きない。

 フランはいつもは自宅にいる。監督は忙しく、仕事場であるスタジオで徹夜をするのは珍しくない。「連泊はせずに、できるだけ自宅へ帰るようにしているんですけど。深夜でも猫が迎えてくれて、暇なときは体を寄せてくる。ありがたい」

 フランとの出会いは10年前。監督には3人の娘がいる。当時、マンションから一戸建てに引っ越したので、次女がバーミーズという種類の猫を欲しいと言いだした。車でペット店を数軒まわったが、見つからず、珍しい猫なので取り寄せもできないという。

 ところが、帰り道、車の中で娘が言った。「パパ、今、ペット店の看板あったよ」。いつも通っている道、そんな店あったかな、と見ると、確かに小さなペット店が。そして、バーミーズの子猫が1匹いた。「呼び寄せられたかも」。そんな思いで即決した。

 ブン太はそれからほぼ1年後、やはり次女が知り合いからもらってきた。フランもブン太もどちらも家猫で、めったに外に出ない。ブン太のほうが活発で、窓を開けただけでギクッと、猫らしいリアクションも多い。

 「父親と娘といえども(反抗期とか)いろいろあって会話が途切れることがある。でも、娘たちが猫の世話をしているのを見ると、安心するんですよ。家族と猫を通じて、コミュニケーションしているような」-。

 監督は子どもからお年寄りまで家族そろって楽しめるアニメを目指していると語る。監督の作品には、猫を含めた家族への思いが色濃く出ているのかもしれない。

 (文・草間俊介、写真・中西祥子)