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北尾トロさんにべったりのスー(後)と、人なつこいモー。「いつも猫のゴロゴロを聞いて安眠しています」とトロさん
北尾トロさんにべったりのスー(後)と、人なつこいモー。「いつも猫のゴロゴロを聞いて安眠しています」とトロさん
プロフィール

きたお・とろ 1958年福岡市生まれ。法政大卒。雑誌のライターに。「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」など著作多数。今年、長野県伊那市に仲間と古書店「本の家」を開店。

北尾トロさんとスー、モー 猫(メス10歳、オス5歳)

場の空気を読む
“平和センサー”

 東京のJR中央線沿線は、学生や文筆家に人気のエリア。ライターの北尾トロさんもこの沿線をこよなく愛する1人である。杉並区の阿佐谷、高円寺、武蔵野市の吉祥寺などを住みあるいて30年、それぞれの街で出会った猫の話を近著「中央線で猫とぼく」(メディアファクトリー)にまとめた。

 「大学生のころに住んだアパートで初めて猫の世話をするようになり、その後も街の自由猫たちとつきあってきました」とトロさん。

 現在は、初めて正式な飼い猫にしたスーと、知人から引き取ったモーの2匹と暮らしている。

 「スーは捨て猫のようで気が弱く、外では生きていけないだろうと飼うことにしました。スーがきてから夫婦2人の家が陽気になり、猫っていいもんだと思いましたね」

 やがて、知人が世話していた地域猫の子、モーも飼うことに。

 おとなしいスーに、好奇心旺盛なモー。対照的な性格で、居場所もスーが2階、モーが下とすみ分けていた。

 だが、トロさんの娘が誕生したのをきっかけに、2匹は同盟を結んだかのごとく共に行動するようになったとか。

 「娘という強力なライバルが出現して、今までどおり甘えていられなくなりましたからね。娘が幼稚園に行くと、2匹でほっとして居間で昼寝してますよ。猫には大変だろうけど、人は小さい時から動物がそばにいると、動物に対する親しみや愛情が生まれると思うから」

 トロさんは数年前、飼い主としてつらい出来事を体験した。モーが4階のベランダから落ち、足を骨折したのだ。獣医師は切断を勧めた。

 「猫にとって足が1本なくてもそれほど大変なことではなく、術後の回復も早い、元通りにする手術は難しく猫にもつらいなどと獣医師は説明したのですが。でも、治せるなら元通りにしてやりたかったんです」

 家族とモー、一丸となって半年間の治療に耐えぬいた。今ではすっかり元気だ。

 「猫とつきあって覚えたのは、仕事の息の抜き方。行動する前にあれこれ悩まず、まずはやってみるということかな。結果、仕事時間の短縮ができました」

 トロさんに言わせると、猫は「平和センサー」。場の空気がよければやってきて、悪いといなくなってしまう。

 いつもスーとモーが寄り添うトロさんの心は、とっても平和に違いない。

 (文・宮晶子、写真・由木直子)