ペット大好き!情報
田川一郎さんと猫たち
自宅で飼う海は、奥さんが鳥取県から連れてきた。「人なつこいけど、抱っこはさせてくれない」とか=東京都立川市で
プロフィール

たがわ・いちろう テレビプロデューサー。1939年生まれ。山口県出身。テレビ朝日に入局、黒柳徹子氏のユニセフ視察の番組を長く制作。郷里でブルーベリー農園の経営も。

田川一郎さんと猫たち ウズ(メス推定10歳) 海(オス9歳) ビビ(メス年齢不明)

変化に富んだ姿
心通じ合う喜び

 テレビプロデューサーの傍ら、郷里の山口県でブルーベリー栽培をする田川一郎さん。

 東京の自宅には「ウズ」と「海(かい)」がいる。山口にも「ビビ」という猫がいたが、現在行方不明中だ。

 「海とウズは家猫ですが、ビビのほうはもともと自然の中で暮らしてきました。どこかで元気でいると思いますが、やはり心配ですね」

 ほかにも田川さんのブログは、近所で知り合った猫たちでいっぱいだ。こんなに猫好きなのに、以前は犬派だったという。

 「プードルとシェルティがいましたが、2匹が同じ年に死んでしまいました。すると、庭にノラ猫が来るようになったんです」

 やがて外猫の1匹が、3匹の子猫を産んだ。その子育ての様子を見ているうちに、すっかり猫にはまってしまったという。「母猫が子猫をくわえて運ぶ姿、子猫がひもにじゃれる姿、なんて変化に富んで面白いのかと」

 子猫たちは引き取り手に譲り、母猫は飼うことにした。渦巻き模様なのでウズに。

 「なかなかなつかなくて、病院に連れていく時は息子と2人がかりで網で捕まえました。最近やっと家内のひざにのったりしています」

 その後、奥さんが故郷の鳥取県の海の近くで拾った海も加わり、田川さん一家は猫派に転身した。

 ビビとの出会いは5年ほど前のことだ。

 田川さんはブルーベリー農園で、1年の3分の1を過ごすが、ビビはその農園の近くの大工さんが面倒を見ていた猫だった。やがて大工さんが亡くなり、田川さんがえさをやるようになった。ビビはブルーベリー(頭文字BB)から。

 「散歩に行くぞ」と言えばしっぽをピンと立ててついてくるし、「寝よう」と言えば隣に寄り添う。ビビはまさに田川さんの農園生活のパートナーとなった。「猫とこんなに心が通じ合うのかと。それは幸せな日々でした」

 ついにビビを東京へ連れ帰ろうと決心した。しかし駅まできたところで、ビビはキャリーバッグを破り、逃げ去ってしまった。以来、一度も会っていない。

 「人間の勝手で、ビビの生活を変えようとしてしまった」。田川さんはビビへの謝罪を込め、昨年秋、絵本「ビビ」を出版した。ビビとの日々を描いた同書は、今も都内の書店やネットを通して多くの反響を呼んでいる。

 今日にもビビがひょっこり姿を見せるかもしれない。そう思いながら田川さんはブルーベリー畑に向かう。

 (文・宮晶子、写真・高嶋ちぐさ)