よしかわ・みよこ 1954年生まれ。横浜市出身。早稲田大卒業後、TBSに入社、ニュース番組などで活躍。ラッコの生態研究でも知られる。現在「みのもんたの朝ズバッ!」などに出演。
源氏の君のため
室内リフォーム
TBSにほど近い東京都心のマンションに住む吉川美代子さん。ベテランアナウンサーらしく、シンプルモダンな室内だが、「猫と快適に暮らせるように入居時にリフォームしたんですよ」という。
白い壁の向こうから、その愛猫ゲンが現れ、じゅうたんの上にごろんと転がってみせた。
「ゲンちゃんのためにじゅうたん敷きにして、思いきり走れるように廊下から居間、仕事部屋、寝室までドアをなくしました」と吉川さん。
ほかにもキッチン周りには猫の食事スペースや猫専用のトイレ室まである。吉川さんの愛猫への思いが伝わってくるような住まいなのだ。
実はここに越してくるまで、ゲンは吉川さんの家を気ままに出入りする半ノラ猫だった。最初の出会いは7年ほど前の夏にさかのぼる。
「毎朝、窓の外から元気な猫の鳴き声が聞こえるようになったんです。通勤の人たちに向かって、『ニャーニャー!おはようニャー!』とあいさつするような声で」
それは人なつこいハンサムな猫だった。隣のマンションの女性にえさをもらっていたが、やがて女性は引っ越してしまい、吉川さんが面倒を見るようになった。
「私の帰宅を待って部屋に入ってくる様子が、光源氏が女性のもとを訪れるようだったので、ゲンと呼ぶようになりました」
だが、源氏の君の行動は野性的。トカゲ、スズメ、ヘビなどいろんなものを捕って帰り、家の中はジャングルと化した。「ゲンちゃんの捕ってきたクマネズミに私までかまれ、夜中に病院に駆け込んだこともあります」
猫同士のケンカの傷も絶えず、吉川さんは常にハラハラ。家もペット禁止だったので、新しい住まいに越して、室内で飼おうと決心した。
「実はこのマンションも当初、ペット禁止でしたが、3割の人がペットを飼っていたんです。そこで理事会に働きかけ、ペット禁止のルールをペット可に変更しました」
規約変更、リフォームと、首尾よく住環境を整えた吉川さん。一方、初めて室内暮らしをするゲンは、最初は毎晩窓の外を見ながら、出せと鳴いていたが、1カ月ほどでそれもおさまったという。
「その代わり毎晩、私が寝ようとすると、遊んでくれと鳴くんです。この年齢になって、夜中に猫とボール遊びやかくれんぼをするとは思ってもみませんでしたが、うれしそうなゲンを見ると私も幸せな気持ちになりますね」
源氏の君は、やはり夜はじっとしていられないようだ。
(文・宮晶子、写真・石井裕之)





