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栗原夫妻と5匹の猫
「猫の箱」の猫たち。左からプリン、ゴハン、オデン、ミカン。恥ずかしがり屋のマロンは隠れた(北村彰撮影)

栗原夫妻と5匹の猫 マロン(メス 14歳)、プリン(メス 9歳)、ゴハン(オス 2歳)、ミカン(オス 1歳)、オデン(メス 1歳)

“主役”のために
理想の家建てた

 神奈川県鎌倉市。緑に囲まれたJR北鎌倉駅から、アジサイで有名な明月院へ向かう道沿いに、白いモダンな家がある。その名も「猫の箱」。建築家の栗原絵里子さんが、2年前に設計した自宅だ。

 名前の通り4角い箱に、ガラス張りの階段室がついたシンプルなデザイン。観光客も時おり足を止め、らせん階段で遊ぶ猫たちを眺めていく。

 猫の箱の住人は、絵里子さんと夫の隆司さん、そして5匹の猫たち。夫妻は埼玉県に住んでいたが、絵里子さんの実家に近いこの土地を見つけ、猫と暮らす理想の家を建てることにした。

 当時、猫は「マロン」と「プリン」の2匹だけだったが、家の完成後、「ゴハン」「ミカン」「オデン」も引き取り、まさに猫たちが家の主役となった。

 地下、1階、中2階、2階、屋上をつなぐ吹き抜けの階段室が家のシンボル。遊び心のあるスペースだが、猫にとっても究極の運動スペースであり、憩いの場でもある。

 「1番オテンバなオデンが、階段から落っこちたりしてますが、けがなどしません。みなよく遊んでますよ」

ガラス張りの階段室
ガラス張りの階段室

 ガラス張りの階段室は、太陽光を利用して家の中に気流をつくる役割もある。

 「夏は地下から涼しい風を循環させ、冷房に極力頼らないようにした、エコ住宅なんです」と絵里子さん。

 このため、この家にはエアコンはない。真夏の日中はさすがに暑いが、夕方になると、周りの寺山から涼しい風が吹いてきて、気持ちがいいという。

 「猫たちは快適な風の通る場所を見つけるので、われわれもそこに行くんです。猫にとって気持ちがいいところは、人にとっても気持ちのいいところだと分かりました」

 春にこの階段に座り、猫たちと花見をする。「木々や鳥を眺めて暮らしているせいか、猫たちも四季の情緒を一緒に感じているようです」

 1階はペットの肖像画家である隆司さんのギャラリー。ミカンとオデンが看板猫として来客を迎える。2階の居間は白い大理石敷きで、これまたひんやりと涼しい。

 「石の床は掃除しやすいんです。白なので毛も目立ちませんし。壁はつめとぎしないように、壁紙ではなくペンキで仕上げました」と、すべてにおいて猫仕様。

 この白い家に白い猫たちがよく映え、全体が美しい作品のよう。北鎌倉のユニークな名所になっている。(宮晶子)