ペット大好き!情報
平松昭子さんとゴロー
味わいのある顔のゴロー。「ゴローがかんでしまうので、物はなるべく置かないようにしています」と平松昭子さん=東京都世田谷区で
プロフィール

ひらまつ・あきこ 1970年生まれ。愛知県出身。女性誌などのイラストで活躍。趣味は日本舞踊。著書に「不器用なシモキターゼ」、コミックエッセー「黒い夫婦」など。

平松昭子さんとゴロー。パグ(オス3歳)

夫そっくりな顔
不思議な気分に”

 自著「黒い夫婦」で破たんした自らの夫婦関係をユーモラスに描き、平和的別居を果たした平松昭子さん。ご主人は、息子と犬のゴローを平松さんに託し、家を出ていったという。

 「ゴローのことはてっきり夫が連れていくと思っていました。夫がどうしてもパグがいいと言って飼ったのだし、顔も夫とそっくりといわれ、かわいがっていましたから。でも、息子や私と一緒にいさせたほうがいいと思ったようです」と平松さん。

 イラストレーターとして活躍する平松さんだが、息子さんはまだ小学生。加えてゴローの世話となると大変だ。特にゴローはひとくせもふたくせもある犬なのだ。

 「散歩に出るといつも、ダーッと100メートルくらい全力疾走。引っ張られてけんしょう炎になりました。自転車が来るたびに飛び掛かっていくし、犬のトレーナーさんに来ていただいて散歩の方法をおそわりました」

 ほかにも、来客に興奮する、家具や階段をガリガリとかじる、引き戸に体当たりして脱走をはかるなど、問題行動がいっぱい。

 「子犬のときは、息子が生まれたときと同じように、見ているだけで楽しかったんです。でも、うちは夫がルールを守ってくれなかったので、犬のしつけはうまくいきませんでした。去勢手術するときも夫は猛反対。でも、手術してだいぶ性格が穏やかになったんです。ゴローにとって夫はいつまでも遊び相手。ボスは私なんですね」

 平松さんがゴローのことで悩んだとき、頼りになるのは愛知県の実家に住む母だ。

 「私が忙しくなると、新幹線で助けに来てくれます。1日5回もゴローの散歩をしてくれるほどの犬好き。母にゴローを引き取ってもらおうかと何度も考えましたが、思いとどまりました。実家には昔から、飼えなくなったといって持ち込まれた犬や猫がいたんです。それと同じことをするのはやめようと」

 疲れていても、ゴローの愛きょうある顔を見ると、気持ちが明るくなる。親子ゲンカをして息子さんが泣きべそをかいたときも、ゴローが顔をなめてくれる。最近は、息子さんも毎朝ゴローの散歩をし、シャンプーの手伝いもしてくれるようになった。

 「最近ゴローの顔を見ていると、ほんとに夫とよく似ていて、不思議な気分になるんです。夫が神様に罰を受けて、犬にされてしまったような」といたずらっぽく笑う平松さん。ご主人の面影を残すゴローは、まぎれもなく家族の一員といえそうだ。

 (文・宮晶子、写真・五十嵐文人)