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ドッグトレーナーの小笠原一男さん(左)の指導で訓練するアニー役の豊原江理佳さんとベル(中)、荻野七穂さんとリボン(右)=東京都品川区で
ドッグトレーナーの小笠原一男さん(左)の指導で訓練するアニー役の豊原江理佳さんとベル(中)、荻野七穂さんとリボン(右)=東京都品川区で

アニーと犬のサンディ 人と犬の息合った演技 日本版ミュージカル「アニー」

ミュージカル公演
厳しい訓練経て舞台

 今年で23年目となる日本版ミュージカル「アニー」。この舞台に欠かすことのできない人気キャラクターが、犬のサンディだ。本番でも堂々とした演技を見せるというサンディ役。その見どころは。東京・品川区のけいこ場を訪ねた。(文・宮晶子、写真・北村彰)

 「サンディ、おいで、サンディ!」

 アニーが呼ぶと、舞台の端から大型犬のサンディが駆け寄っていく。前半の名場面だ。今年のアニー役、ダブルキャストの荻野七穂さんと豊原江理佳さんが本番を間近に控えたけいこ場で、この場面を繰り返し練習していた。

 サンディ役を務めるのはベルとリボンの2匹。アニー役と同じくダブルキャストだ。どちらも二歳のメスで、昨年に続き2年目の登場となる。

 犬のサンディは、20世紀前半、ニューヨークの新聞にアニーの漫画が連載されていたころから、人気キャラクターだったという。大恐慌時代、不幸にも負けず、幸せを勝ち取る少女を描いたこのミュージカル。孤児院を脱走したアニーが出会うのが、野犬捕獲人に追われるサンディだ。

 記者が見た練習シーンは、アニーが自分と同じような境遇の犬を守ろうと、「あれは私の犬よ」と言い、呼びよせるところ。見知らぬ少女に呼ばれたサンディは、一瞬戸惑うものの、彼女は自分を助けてくれると確信して駆け寄っていく。

 人と犬“二人”の息の合った演技が見せどころだ。「ここがアニーとサンディの第一関門なんです」というのは、17年来アニーのドッグトレーナーを務める小笠原一男さん。「どんなに犬好きな子でも、自分より大きな犬が突進してくると、本能的によけてしまう。でも、よけると犬の信頼は得られない。ふたりの距離感をいかに取り去るかが最初の仕事ですね」と話す。

 サンディ役は、その大きくて優しいイメージから、オールド・イングリッシュ・シープドッグ。

 小笠原さんの飼育する犬が何代にもわたって、この役を務めてきた。性格は温和なものの、頭は子どもの倍ほどもある。

 「毎年、厳しいオーディションで選ばれるアニー役の子は、歌や踊りのけいこではまず泣かない。でも犬との訓練では泣くんです。犬は自分の思い通りにならないですから」

 アニー役が選ばれてすぐ、犬との訓練が始まる。豊原さんと組むのはベル、荻野さんと組むのはリボン。今では二人ともまるで訓練士のように2匹をリードする。犬たちの信頼をしっかりと得ている。

 犬たちも、けいこに呼ばれると、待ってましたとばかりにしっぽを振ってアニーの元へ。芝居が大好きなのだ。

 「犬に演技を教えるのは、ゲーム感覚なんです。これは家庭犬の訓練にも通じることですよ。例えば、アニーに呼ばれるシーンでは、呼ばれただけでは行かない。アニーがひざをたたいたら、それ行けっ!とね」

 同じシーンも、ベルはハイテンションに、リボンはのんびりとこなす。舞台ではそれぞれの個性が楽しめそうだ。

 公演は東京は2008年4月26日-5月11日、渋谷区の青山劇場で。名古屋は8月22日-24日愛知県芸術劇場でそれぞれ行われる。