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板倉雄一郎さんと「あきら」
「あきらのお嫁さん募集中なんです」と話す板倉さん=千葉県船橋市で
プロフィール

いたくら・ゆういちろう 企業コンサルタント、投資家。1963年、千葉県生まれ。96年、インターネット広告を利用した「ハイパーシステム」を開発。脚光を浴びるが、翌年、負債総額37億円で会社が倒産。98年、その体験談「社長失格」がベストセラーとなった。

板倉雄一郎さんと「あきら」 スタンダード・ダックスフント(オス 11歳)

朝散歩でリズム
“社会復帰”した

 板倉雄一郎さんの愛犬・あきらはスタンダード・ダックスフント。人気のミニチュア・ダックスフントはこのスタンダードを改良した小型犬種。今や、ダックスフントといえば、ミニチュアのことを指すようになった。

 「散歩していると『何の犬種ですか?』と聞かれることがあるんです。20年ぐらい前はスタンダードばかりでしたが最近、スタンダードは見ないですね」

 最近、ちょっと太り気味のあきらだが、狩猟犬だけあって、がっしりした体格だ。

 「あきらの体重は15キロ。普通のシバイヌより重いと思います。足が短いから軽いように見えるけど、胴の筋肉がすごい。密度が濃いので重いんです。筋肉質です。だから、腰も丈夫。無駄ぼえもしないし、ほかの犬にも動じないですね」

 板倉さんがあきらと出会ったのは11年前。当時、ゴールデンレトリバーの雄太がいたが、もう1匹をとペットショップへ。名前は「あきら」と決めていた。

 「何匹も子犬が遊んでいるところで『あきら』って呼んだら、コイツが僕の声に反応して、すぐ、トコトコやってきた。もう、飼うしかないと決めました。おまけに、僕と誕生日が一緒だったし、いろんなところが僕と似ている。手足が短いところとか…」とあきらを見て笑う。いすに座っている板倉さんに、あきらは甘えて大きな体を抱っこしてもらっている。

 去年の6月、ゴールデンの雄太がこの世を去った。のどのガンで、放射線治療のため体力もなくなった雄太は、庭で最期の時を迎えた。

 「気管が細くなって息がしづらくなったんですね。もともと暑がりで、外にいると状態が落ち着くんですよ。それで、僕も付き合って寝袋出して庭で寝て…。そのうち、まったく家に入るのを嫌がったので、庭にテント張って一緒に過ごしました。2カ月後、あまり苦しまないで静かに逝きました」

 10年前、板倉さんは多額の負債を抱え会社を倒産させた。

 「派手にやって注目を浴びた中の倒産でしたから、経済的なことだけではなく、かなりつらいこともありました。全部なくして、ここ、千葉の実家に戻った。酒を飲みすぎたり、うつになっても、2匹は、朝、散歩に連れて行けって、来るんです。それで生活のリズムを保って、25万文字もある『社長失格』が書けた。コイツらのおかげで復帰ができたんです」

 雄太がいなくなってから、あきらは甘えん坊になった。板倉さんのそばを離れない。そして板倉さんの幸せは、安心して眠るあきらを見ていることだ。

(文・星川きよみ、写真・高嶋ちぐさ)