澤田貴美子のつながる“いのち”

第60回 『性のはなしって、特別なこと?』

写真

9月も後半になり、あちこちから運動会の様子も目に入る今日この頃。
我が家の高校生も、文化祭が終わり、定期テストが終わり・・・秋休みを満喫しております。

先日、子育て中のお母さんとお話していた時のこと。
とても素敵だな~と感じた出来事があったので、今日は、そのことについて綴りたいと思います。

日頃、お母さんたちとお話をさせていただいていると、

「そろそろ性教育とか必要かなぁと思ったりするけど、どう話したらいいのかわからないし・・・」

「いつから何を話せばいいんですかねぇ・・・」

「それって、学校で習いますよね?」

「自分の時も、特に親から教わってもないし、別に自然と知るからいいんじゃないですか?」

性のはなしは、 自分で伝えるにはハードルが高いと感じていらっしゃる方や、
学校で学ぶこと、と感じていらっしゃる方、
なんとなく知っていくものだから大丈夫、と感じていらっしゃる方、
必要だとは思うけど、いざ、何をどこから・・・と悩む、という方、
いろいろな声が聞こえてきます。

ある日、そんなお母さんたちのいろいろな声についてのお話をしていた時のこと。

小学校低学年のお子さんを子育て中のあるお母さんが、ふとこんなエピソードを話してくださいました。

「この前、息子と一緒にお風呂に入っていた時、その日、ちょうど生理中だったんです。とても量の多い日で、お風呂に入ろうとした時に、血が出て来てしまって・・・。それを見て、息子がすごく驚いてしまって、怖がってしまって。なのでとっさに、これはまずいな、と思って話したんですけど・・・。

大丈夫だよ、病気じゃないよ。女の人はね、赤ちゃんを産む準備のために月に1回生理っていうのがあって、こうやって血が出るんだけど、みんなにあることなの。○○おばちゃんも同じだし、ママだけじゃないんだよ。病気だから血が出てるわけじゃないから、心配しなくてもいいからね。

って伝えたんですけど、あとになって、生理のことなんて説明してよかったのかな、あんな説明でよかったのかな、まだ早すぎたんじゃないかな、って心配になって・・・」

とお話をしてくださいました。

「早すぎるなんてことないですよ。とっさに話してあげれるなんて、むしろスゴイです!変に隠してごまかすより、ちゃんと話してあげることが大事ですから・・・」

とお話をして、あと数点、伝えてあげるといいキーワードをお伝えしました。

こういった場面で、とっさに月経(生理)についての話をしてあげられるなんて、本当に素敵だな~と思いました。
しかも、こういった場面できちんと答えてあげた方がいいと知らなかったけど、どんな風に伝えたらいいか聞いたこともなかったけど、とにかく無我夢中で必死に答えた、というお話だったので、なおさら。

こういった場面について、普段質問が多いのは、

「見なくていいから!大丈夫だから!」

慌ててそう言うのが精一杯だったんですけど、どうすればよかったんでしょうか?という質問がとても多いからです。

そうですよね。 お母さんの月経血を見て、びっくりしておびえるわが子を目の前にした時、誰だって慌ててしまうと思うのです。

けれど、「性のはなし」って、特別なことだと考えられがちですが、実は日常の中にあることで、伝えてあげられるタイミングは、たくさんあるのではないでしょうか。

「性のはなし」というと、大人はついつい、性交についてや避妊や妊娠などをイメージしがちですが、いきなりそれらを学ぶのではなく、日常の中で少しずつ学べることがたくさんあると思うのです。まずはそれらを積み重ねていくことから・・・。

みなさんなら、月経血を見て驚くお子さんに、なんという言葉をかけますか?まずはそんな場面を想像して、ぜひ考えてみてください。

いろいろな伝え方があると思います。お母さんが心を込めて考えて伝える言葉は、きっとどれもお子さんの心に響く言葉なのではないでしょうか。

性のはなしは、日常から。

次回の『澤田貴美子のつながるいのち』をお楽しみに。

澤田貴美子(さわだきみこ) フリーの産前産後フィットネスインストラクターとして、各地の産婦人科クリニックにて、妊娠中や産後、メノポーズ(更年期)の女性への運動指導・乳幼児と母親への育児支援などに従事。また、公益社団法人・誕生学協会認定“誕生学アドバイザー”として、幼児から大学生など幅広い年齢を対象に、いのちの授業「誕生学®」を届けている。

(2017年09月28日)