澤田貴美子のつながる“いのち”

第59回 『妊娠SOS相談』

写真

朝晩の涼しい風が心地良い季節となりました。
空も、すっかり秋の空。
そんな秋の始まりに、とても残念なニュースが・・・。

女子高生が、出産した乳児を遺棄した、というニュース。
その少し前にも、たて続けに2件、乳児を遺棄した、というニュースがあったばかり・・・。
赤ちゃんのいのちは助かったものの、河川敷に埋められていた・・・というニュースも。
残念なニュースが続いていることに、とても胸が痛みます。

予期せぬ妊娠に、ひとりで悩み、出産を迎えるという選択しかなかった女性たち・・・。
遺棄という行動は、確かに許せない行動ではあります。
でも・・・
誰にも、どこにも相談できなかったなんて、まわりの誰も、気付いてあげることができなかったなんて、ただただそれが、残念でなりません。

つい先日も、こんな内容の記事を目にしました。

「2013年~16年度の4年間に、路上などに遺棄された子どもの数は、少なくとも58人」

うち10人が亡くなっていて、多くは生後間もない赤ちゃん。
58人のうち、詳細がわかった44人の中の41人が0歳児で、亡くなった10人を含む34人は、生後0ヶ月児だったそうです。

生後間もない赤ちゃんの遺棄は、予期せぬ妊娠が要因のケースがほとんど。
このように、予期せぬ妊娠などから、新しいいのちが、生後間もなくいのちを落としてしまう悲劇。
こんな悲劇が後を絶たないのはなぜでしょうか。

こんな悲しいこと、0にしたい。
いのちのはじまりは、幸せなはじまりであってほしい。
そのために、私たち大人に出来ることは、何でしょうか。

小さい頃から、いのちの大切さを心で感じられる体験を積み重ねていくことも、とても大切。
その機会は、生活の中でも得ることが出来るし、学校や家庭でも、「自分の存在」を、「今あるいのち」を、スゴイ!と感じられる時間を持てる機会はたくさんあるはずです。

そんな機会がたくさん得られるよう、大人がサポートしていくこと、本当に大切だと感じます。

自分のいのちを大切に、まわりのいのちも大切に。
そう心から思える機会を増やしたい・・・。

そして何よりも大切なのは、「相談出来る場所」が、必ずある!
「力になってくれる人」が、必ずいる!ということを、伝え続けていくこと。

「家族や、身近な友人に相談出来ていたら、ひとりで悩み、出産して遺棄をするという選択に至らなかった」と論じることは簡単です。その結論はもしかしたら、理想論なのかもしれません。

その理想論に近づけるような、親子関係や友人関係が築けるよう、様々なサポートをしていくことも、もちろん大切なことではあります。
それでも、現実問題、現代の様々な家庭環境や人間関係のなかで、「誰にも言えない」という状況が生まれてしまっていることは、悲しいけれど否定できない事実なのです

だからこそ勇気がいるかもしれないけれど、誰にも言えなかったら、相談窓口を頼ってほしいのです。
秘密は守ってくれる相談窓口です。
そんな場所が、力になってくれる人が、必ず見つかるから!ということを、心に刻んでおいてほしいのです。

一般社団法人 全国妊娠SOSネットワークさんのHPでは、「全国のにんしんSOS相談窓口」として、「自治体の事業による妊娠SOS相談」や、「民間団体の独自事業による、全国対応の妊娠SOS相談」、「養子縁組にかかわらず妊娠相談・動向支援を行っている養子縁組団体(こちらも全国対応)」の一覧表がUPされています。
http://zenninnet-sos.org/contact-list

頼れる場所がある、ということを知っていれば・・・
勇気を出してSOSを出してくれれば・・・
ひとりで悩み、出産して、遺棄するしかない、という悲しい選択をしなくてはいけない女性を減らすことがきっと出来るはず・・・。

老若男女問わず、誰もが知っておくべき情報なのではないでしょうか。

新しいいのちが遺棄されるという、悲しいニュースが0になるよう、この情報をたくさんの方に知っていただきたくて、このコラムを綴りました。

どうか、必要な方に届きますように・・・。

次回の『澤田貴美子のつながるいのち』をお楽しみに。

澤田貴美子(さわだきみこ) フリーの産前産後フィットネスインストラクターとして、各地の産婦人科クリニックにて、妊娠中や産後、メノポーズ(更年期)の女性への運動指導・乳幼児と母親への育児支援などに従事。また、公益社団法人・誕生学協会認定“誕生学アドバイザー”として、幼児から大学生など幅広い年齢を対象に、いのちの授業「誕生学®」を届けている。

(2017年09月14日)