澤田貴美子のつながる“いのち”

第56回 『受援力を発揮しよう』

いよいよほとんどのところで始まった、夏休み。 例年以上に暑い毎日に、 すでに夏バテ気味の方もいらっしゃるのではないでしょうか? 本当に、外へ出ると汗だく。 そしてクーラーの部屋では身体が急激に冷えやすく、 体調管理が難しい毎日ですね。

前回のコラムで、 「受援力」について綴らせていただいたところ、 読んで下さった方から、うれしい感想をいただいたので、 今回は、そのエピソードを紹介させてください。

小さいお子さんを子育て中のSさん。 ご自分のご実家も遠く、ご主人のご実家も遠方。 もちろん、ご主人は多忙。 いざという時、気軽にサポートをお願い出来る所がなく、 まさにワンオペ育児の毎日。

行政や民間で、様々な育児サポートがある、ということは、 知っていたけれど、 ご自身の中で、それらのサポートを受けるのは、 抵抗があったそう。

そんな中、 なんだか体調が悪いな、と思いながらも、 自分が頑張れば何とかなるし、それが当たり前だし 誰にも頼るわけにいかないから・・・と無理が続いて だんだんと精神的にもつらくなっていた時、 ちょうどコラムが目に入ったとのこと。

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コラムを読んで、 体調が悪くてつらいって相談する勇気が出たんです。 夫に伝えたけれど、夫はどうしても仕事を休めなくて・・・。 思い切って勇気を出してママ友に相談してみたら、 「気付いてあげられなくて、ごめんね。 ○○ちゃん、うちで預かるよ。ご飯も一緒に食べてから、送っていくね」 と声をかけてくれて・・・ おかげで、1日ゆっくり休むことができて、すごくありがたかったです。

どう思われるかな、と心配だったけど、 人に頼る、ということに対して肩に力が入りすぎていたというか、 臆病すぎたというか、 思い切ってお願いしてみたら、こんなにも気持ちが楽になるんだな、 と思いました。

今までなら、人に甘えることが自分自身に対して許せなくて、 とにかく頑張るしかないと思っていたけど、

「素直に弱音を吐いて、たすけてもらうこと。 ちゃんと感謝を伝えること」がどれだけ大切が身にしみました。 今度は私が逆の立場で力になれたら、と思います。

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この感想をメールしてくださったSさん、ありがとうございました! そして、SさんからのSOSを受け取ってくださったママ友さん、 Sさんの力になってくださって、本当にありがとうございました!!

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「こんなことお願いしたら、迷惑かな」 「大変なのはみんな一緒なのに、こんな風に頼るのは図々しいかな」

誰しも、遠慮してしまいがちなのは、当然のこと。 けれども、きちんとした配慮があっての上でのお願いならば、 「お互いさまだから」と協力し合えることもたくさんあります。

大人のわたしたちこそ、 もっともっと「受援力」を発揮していきたいですね。

そしてこどもたちが、 大切なこの「受援力」を培っていけますように・・・。

現代のこどもたちは、 リアルなコミュニケーション不足が危惧されています。 人にどうみられるかを気にし過ぎて意見が言えなかったり、 自分だけ違うことを意見することに抵抗があり、流されてしまったり・・・。 人と人との距離感を学ぶ機会が少ない、とも言われていますね。 特に携帯電話やスマホを所持する年齢になると、 会話の中心が顔を合わせてのリアルなコミュニケーションよりも、 SNS上のコミュニケーションが中心になってしまうことも。

「顔を見て会話する」

「表情や声色から、思いを汲みとる」

「感情がぶつかる時には、ぶつかる」
(↑もちろん、SNS上ではなく、リアルなコミュニケーションの場で)

この経験の積み重ねは、とても大切ではないでしょうか。 感情を育てるためにも。

だからこそ、親子の会話、対話はとても大切。 普段より少し時間に余裕がある夏休みだからこそ、 ぜひ、会話、対話を共有できる時間が過ごせますように。

次回の『澤田貴美子のつながるいのち』をお楽しみに。

澤田貴美子(さわだきみこ) フリーの産前産後フィットネスインストラクターとして、各地の産婦人科クリニックにて、妊娠中や産後、メノポーズ(更年期)の女性への運動指導・乳幼児と母親への育児支援などに従事。また、公益社団法人・誕生学協会認定“誕生学アドバイザー”として、幼児から大学生など幅広い年齢を対象に、いのちの授業「誕生学®」を届けている。

(2017年07月27日)