澤田貴美子のつながる“いのち”

第53回 『言葉で伝えることの大切さ、難しさ』

 想像以上に暑かった5月から、引き続き暑さが続く6月に入りました。

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 早くも暑い毎日に今から心が折れそうになります。 みなさまは、いかがお過ごしでしょうか。 この時期からこの暑さ、いったいどんな夏になるのだろう...と、 少しだけ気が重くなったりもしますが、 なんとか前向きに夏を迎えたいものですね。

 そんな時、季節のお花を目にすると、 四季を感じ、とても心が豊かになりますよね。 先日、6月の花の数々を鑑賞しに行きました。 6月の花、いろいろな花がありますよね。 紫陽花、花しょうぶ、くちなし、ざくろ...etc

 昨年のこの時期も、その前の年のこの時期も、 紫陽花の花言葉についての記事を綴らせていただきました。 花にはそれぞれ、花言葉がありますね。

 実は、この原稿を書いているまっただ中、 私は声帯を痛め、声が出せない状態でいます。 声が出せない状態の中で、いろいろなことを考えていたら、 ふと、 言葉で伝えることの大切さと難しさについて、綴りたくなりました。 なので今回は、このテーマにお付き合いいただけましたら幸いです。

 さて・・・ 現在私が悩まされている症状。 それは、「声帯結節」です。 簡単に言うと、 声の出し過ぎによる、声帯の過度の擦れが原因で、 声帯にたこやまめの様なものが出来る症状、だそうです。 (ってことは、ポリープ?と思いがちなのですが、 ポリープは、たこやまめというより、血まめだそうです。なるほど~)

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 声が出るしくみは、 空気が声帯を通る時に声帯同士が擦れたり、震えたりすることによって、 その振動から音が出るというもの。

 「だから、声を出し過ぎることによって、声帯が腫れてしまうと、 声帯同士がくっついてしまい、声がでなくなるんだよ」

 耳鼻科の先生が、丁寧に説明してくださりました。 実は、この症状、初めてではありません。 以前も、全く同じ説明を受けました。 けれど、けれど・・・ またもや、同じ症状に悩まされてしまいました。

 学校でお伝えする、いのちのはなし「誕生学®」の講座や、 PTAの方々を対象とした 「家庭で伝える生と性の話」の講座、 産婦人科クリニックでのヨガのクラス、安産教室のクラスなどでは、 大きな声を出し続けるということはそれほどないのですが、 産前産後フィットネスのインストラクターとして指導させていただく エアロビクス系のクラスや、 バランスボールの指導をさせていただくクラスでは、 音楽に負けないように!と、かなり大きな声を出している毎日。 この、大きな声を出すことが、かなり喉に負担をかけてしまうことに 日頃から自覚があり、出来るだけケアをしているものの・・・ 数年置きに、どか~ん!!と「声帯結節」に悩まされます。

 声を使う職業の方は、 もしかしたらご経験のある方も多いのではないでしょうか。

 お薬を処方していただき、 「治療法は、沈黙療法ね!とにかくしゃらべらないで!」と 笑顔で指示をいただきました。 (「しゃべらないとか、あ~つらすぎる!」まるで私の心の叫びを見透かされているようで、思わず笑っていまいましたが・・・)

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 というわけで・・・沈黙療法を徹底。
しゃべれない、というのは、本当にストレスがたまりますね。 でも、早く治したい一心でひたすら守っています。

 そしてふと、そんな中で思ったこと。

 「やっぱり、言葉で思いを伝えるって、本当に大切だよなぁ・・・」 ということ。 家族とは、必要なことはジェスチャーで会話していました。 話したい話題については、今はがまんしよう!とぐっとこらえて・・・。 なので、うなずくだけで、無言。 伝えたいことは、やっぱり、 言葉で伝えないと、細かいニュアンスまでは伝わりませんね。 言葉で伝えることが、どれほど大切かを再確認しました。

 でも、その半面。 ふと思ったことがあります。

 「言葉で伝えるって、大切だけど、難しいよなぁ」と。

 言葉を発しない時間の中だったからこそ、 普段、自分がどれだけ言葉を発しているか、 いや、どれだけ言葉を発しすぎているか。 そのことにも気付きました。

 大切なことを伝えようと思い、発している言葉も、 こう声をかけたら少しは力になれるかなと思い、発している言葉も、 時にはその方を傷付けてしまっていることが、 きっと多々あるのではないのかなぁ・・・と。

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 普段、自分で無意識にかけている言葉で、 傷つけてしまった方が、いたのではないか。 そんなことを振り返りながら、 もっともっと、言葉を大切に考えなければいけないなぁ、と 改めて考えさせられるとても良い機会となりました。

 もしかしたら・・・声が出ないという症状が出たのは、 このことを私に考えさせるためだったのかも・・・。

 もちろんこれからも、 どれだけ考えて言葉を発してもきっと、 誰かを傷つけてしまうことはあるのかもしれません。

 けれど、「言葉を選ぶこと」 そして、「伝えたい思いは、しっかりと言葉にして伝えること」 このことについて、常に考えていきたいな、としみじみ感じた、 今回の沈黙療法の日々は、思いの他、とても大切な時間となりました。

 このコラムが公開される頃には、 どうかいつも通りに戻っていられますように・・・。 私のつぶやきに、お付き合いくださりありがとうございます。

 次回の『澤田貴美子のつながるいのち』をお楽しみに。

澤田貴美子(さわだきみこ) フリーの産前産後フィットネスインストラクターとして、各地の産婦人科クリニックにて、妊娠中や産後、メノポーズ(更年期)の女性への運動指導・乳幼児と母親への育児支援などに従事。また、公益社団法人・誕生学協会認定“誕生学アドバイザー”として、幼児から大学生など幅広い年齢を対象に、いのちの授業「誕生学®」を届けている。

(2017年06月08日)