小倉京子の「子育てにも“コツ”ってあるんです」

第38回 『7歳4歳:がんばっている子どもたち』

 こんにちは。小倉京子です。

 ほめる子育て、競争心を育てる育児、それぞれいろんな意見、説があるのでしょうが、子どもがその子らしさを失わずに、その子らしさを発揮して育っていくのが一番なのではないでしょうか。

 今回は、叱ってやらせるのではなく、ほめてやらせようという意図的な誘導でもなく、自然とやる気を発揮した親子の会話をご紹介します。

 事例は、親業訓練協会発行の季刊誌『ヒューマンリレーションニュース(2014年夏号)』からです。お子さんは7歳と4歳の男の子。

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 これまでいつも
「エライ!」「スゴイ!」「いい子!」を連発。競わせる育児だったような気がします。

 それを、こんなふうに言い方を変えてみました。

親  そうやって、ママが忙しいときに、ゆうちゃん(三男)のことを見ていてもらえたら、ママは家事がはかどって、とても助かるよ

二男  うん、ママの助けになることをやるんだ!

親  ありがとね。

   (三男に)ゆうちゃんが、朝、自分でお着替えすると、ママとっても助かって嬉しいよ

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三男  僕、これからも一人で着れる!

 嬉しいときも、わたしメッセージ!
「こんな言い方があるんだなあ」と新しい発見でした。
「あらあら、子どものリアクションが全然違う!」と驚きました。

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 あれをやってほしい、これをこうしてほしい、と具体的な行動を指示するのではなく、親が嬉しいと思う行動を子どもがしているときに、「嬉しい」「助かるな」と、親の気持ちを伝えています。

 大人だって指示されて動くのはあまり気持ちがいいものではありませんよね。特にやろうとしていた時に言われるとイラっときたりするものです。子どもも同じ。

 ほめて育てるというやり方も、場合によっては、子どもがほめられるためだけに行動するようになる可能性があります。ほめられないことはやらない、とか、人の目につかないようなことはやらない、とか。人の目を常に気にして行動する子、人の評価ばかり気にする子に育つことも十分考えられます。

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 競争心をあおって頑張らせるやり方も、人に常に勝つことばかりを意識し、負けることを極端に嫌がったり、どんな手を使ってでも勝とうとしたり、負けることはいけないことだという考えを子どもに植え付けることになり、負けた時に自分はダメな子なんだと自己肯定感が低くなる可能性も。頑張れないことに対する罪悪感のようなものが育ってしまったり。

 一方、自分がなにかをしている時に、その行動で嬉しい、助かる、と言われると、言われた側もとても嬉しい気持ちになり、もっとその人のためにその行動を続けようと思ったり、肯定的な気持ちを言ってくれた人に対して、温かい気持ちが湧きます。その温かい気持ちが行動の原動力になるのです。

 子どもが親の肯定的な気持ちの言葉を受け取ったことによって、その行動をしている自分に対しても自己肯定感が湧くでしょう。

 日常の中で、親はつい、子どもに対して要望ばかりしてしまいがちですが、子どもの行動をあらためてみてみて、親がほっとする行動、嬉しいなと思う行動、安心する行動、頼もしいなと思う行動などをみつけては、こうした親の肯定的な気持ちを表してみましょう。

 そのためには、親が自分の気持ちの動きに敏感になっている必要もありますね。

・朝時間通り起きて当たり前
・朝機嫌よく起きて当たり前
・ご飯をもりもり食べて当たり前・・・・・など

その当たり前の中にも、親の気持ちは潜んでいます。

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・「朝時間通り起きてきたから、安心する」
・「朝から機嫌よくいてくれると、お母さんも気持ちよく朝が過ごせてうれしいな」
・「もりもりご飯を食べてるのをみると、元気な証拠だと思ってほっとするわ」

と、当たり前にできていることの中にも、親の肯定的な気持ちがあるもの。それをできるだけ見つけて、子どもに伝えていくことで、子どもに温かい心が伝わっていきます。

 これも1つの わたしメッセージ です。 第37回 でお伝えしたわたしメッセージとは少し違った感じのメッセージですね。第37回のわたしメッセージは自分がイライラした時に使うもの。一方、今回お伝えしたのは、わたしの 肯定的な気持ち を表現するものです。

 嫌な気持ちも肯定的な気持ちも、自分の気持ちを相手にたくさん伝えていくことは、心と心のつながりを深める上でとても大切なことです。

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小倉京子(おぐらきょうこ) ピースフルコミュニケーション代表・心理カウンセラー。自身の育児経験(3児の母)を生かしつつ、臨床心理学者トマス・ゴードン博士の唱えるコミュニケーション・スキルをベースに、あたたかい親子関係をつくっていくポイントをわかりやすくお伝えしていきます。 ブログ:http://ameblo.jp/hotto-mama/ ご感想・ご質問:peaceful.communication.family★gmail.comまで。(★を@に変えて送信してください) http://ameblo.jp/hotto-mama/

(2017年05月26日)