小倉京子の「子育てにも“コツ”ってあるんです」

第34回 『我が家の給食エプロン問題』

 前回のコラムで取り上げた給食エプロンの話題。

 「給食エプロンを洗っていない」という一つの事実に対しても、いろいろな展開があります。

 前回のコラムでも我が家の展開をざっくりお話しましたが、もう少し詳しくお話することにします。

 以下は過去我が家で起こったこと。時期や子どもの年代はその時々様々です。

 まずは、私がコミュニケーション方法を学んでいないときの対応から。

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 給食エプロンが金曜日に学校から持ち帰ったまま、カバンの中に入っているのを私が見つける。そして、”また洗いに出していないっ!”とイラっとした。

私  もうっ! またエプロン洗濯に出してないっ! 金曜に帰ってきたらすぐに出しなよっ! 毎回言ってるんだからそろそろ覚えたらどうなのっ?!

子 (無言。ぶすっと怒った顔でいやいや出しにいく)

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 次は、コミュニケーションを学んでからの会話です。

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 給食エプロンが、金曜日に学校から持ち帰ったまま、カバンの中に入っているのを私が見つける。そして、”また洗いに出していないっ!”とイラっとした。

私  エプロン洗濯に出してないよ。日曜の夜に出されると、その日中に洗うために夜遅くまで起きていなくちゃならないから困るな。お母さんはいつも早く寝るようにしてるから、ペースが崩れて朝起きるのが辛くなったりするから嫌なのよ。

子  ん~、わかったぁ(面倒そうではあるが、怒ってはいない感じ)

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 このケースは、私がイライラしたので、イライラする内容を非難しないようにわたしメッセージで伝えました。私にどんな影響があって、どう感じるのか、を伝えたところ、子どもが怒って行動しなかったところをみると、伝わったようです。

 そのうちに、私の方に考え方の変化が出てきました。

 エプロンを洗いに出していないと、最終的に困るのは子ども。子どもが困らないように親が気を使って間に合うように洗おうとするから、親が腹が立ったりしてくる。無理に洗おうとするから困ることも発生する。間に合わすように洗いたいのは本来は子どものはず。だから、エプロンを洗いに出していなくても私にはなんの影響もない、と思うようになりました。エプロンを洗濯に出していなくてもそのままの状態になり、私が口を出すことがなくなりました。

 すると今度は以下のようなことが起こってきました。

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 日曜日の夜、まだ洗っていないエプロンを発見した子どもが、慌てて私のところに来る。

子  お母さん、やばいっ! エプロン洗うの忘れとった! 今から洗って!

私  今から洗濯するの? お母さんは夜はいつも洗濯しないのよね。予約で朝1回目が洗い終わっている、っていうやり方しているから、今からやるとなると、エプロンのために特別に回すことになるわね。今夜の洗濯の予約設定はもう終わってて、もう寝ようとしていたところだから、そう言われても困るわね。・・・・・①

子  でも明日持って行かないかんもん

私  明日ちゃんと持って行きたいんだ ・・・・・②

子  うん

私  困ったわね。洗濯機に入れた洗濯物を一旦全部出さなくちゃいけないし、お母さんはもう眠いんだよね。・・・・・③

子  じゃあ、洗濯回してくれるところまでやってくれたら、俺自分で干すよ。回したらお母さんはもう寝ていいよ。

私  でも予約で朝1回終わっているようにしたいんだけど。 自分のエプロン洗い終わったら、今洗濯機に入っている物をもう一回入れ直して設定しておいてくれる? ・・・・・④

子  それはちょっと無理・・・・。やり方わからんもん。じゃあ、朝分と全部一緒に洗濯回して、今夜中に全部干しちゃえば朝1回分は助かるでしょ? 俺全部干すの手伝うからさぁ。それならいいでしょ?

私 それなら、すべてうまくいきそうね。そうしようか。仕方ないから眠いけど頑張って起きてることにするよ。

子  ありがとう、お母さん。

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というわけで、子どもが困って親に頼んできたことで、私が困ることになったんですね。

そこで、①のように、子どもが言い出したことで私が嫌だなと思ったので、ここでもわたしメッセージを出しました。

でも、子どももエプロンを持って行かないわけにはいかない! と困っている状態だったので、②のように能動的な聞き方で、子どもの気持ちを聞くことに切り替えました。

子どももそれなりに気持ちは落ち着いていたようだったので、私が困る状況であることを再度訴えました(③)。

すると、子どもから提案をしてくれ、その提案はなるほどと思ったけれど、私が困ることが解決されていなかったので、もう一度話すと(④)、子どもが全部解決できる提案をしてくれました。

子どもが一生懸命考えているのをみると、少しは協力しようかなぁという気持ちが私の方にも自然に湧いて来て、眠いけど大量の洗濯を全部干すまで付き合おうかな、という気持ちが起きました。

私の気持ちに報いるように、子どもも「ありがとう」と言ってくれたので、とても気持ちよく解決できたなぁと思います。

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 今回のコラムでお伝えしたいことは、親が子どもの行動をみてどう感じるか? によって親が起こす行動が違う、ということ。私がイライラしたときと、しなかったときとで、展開が違います。

 そして、もう1つは、子育てで親が犠牲になるかのように行動する必要はない、ということです。
 子どものために我慢して行動していると、親のイライラが溜まり、”こんなに尽くしているのにっ!”という気持ちが湧いてきてしまい、両者にとってそれは決して幸せな結果をもたらしません。
 それよりも、親も嫌だと思うことがあり、そうならないようにしたい! という気持ちを正直に表現していけば、必ず解決策はある、ということです。
 親だって大変だ、ということを子どもに表現していけば、子どももちゃんと理解してくれる、理解して心が温まる解決策を見出してくれる、ということです。

 蛇足ですが、もう一つこのエプロン問題で最近我が家で起こったことをブログでご紹介しています。
http://ameblo.jp/hotto-mama/entry-12255003274.html/

 これを読むと、いろいろな解決策があり、一番困る当の本人がよしとする解決策がみつかればそれでよし!ということがわかっていただけるかなと思います。

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小倉京子(おぐらきょうこ) ピースフルコミュニケーション代表・心理カウンセラー。自身の育児経験(3児の母)を生かしつつ、臨床心理学者トマス・ゴードン博士の唱えるコミュニケーション・スキルをベースに、あたたかい親子関係をつくっていくポイントをわかりやすくお伝えしていきます。 ブログ:http://ameblo.jp/hotto-mama/ ご感想・ご質問:peaceful.communication.family★gmail.comまで。(★を@に変えて送信してください) http://ameblo.jp/hotto-mama/

(2017年03月24日)