小倉京子の「子育てにも“コツ”ってあるんです」

第33回 『11歳:連休最後の夜に給食当番のエプロンが!!』

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 我が家でもよくありました! 給食当番のエプロンを洗濯に出し忘れ・・・・。

 これが原因の親子げんかもどこの家庭でも1回はあるのでは?

 この問題を、つい口をついて出てくる言葉とは違う言い方で言ってみたら、びっくりする言葉が返ってきたという事例をご紹介します。

 事例は親業訓練協会発行の季刊誌『ヒューマンリレーションニュース(2015年夏号)』からのご紹介です。11歳の男の子と親との会話です。

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 今までは「何で今ごろなの!」「自分で洗いなさい!」と怒りをぶつけ、子どもは黙ったまま自分の部屋に行きドアをバタン!!  結局、私がイライラしながら洗濯。朝にもまた「次は、持って帰った日に、ちゃんと出してよ!」とネチネチ言っていた。

 でも、今回はこんな対応をした。

親  隼人が夜になって洗濯機にエプロンを入れると、これから洗濯して明日の朝にアイロンをかけることになるのよ。朝はやることがいろいろあるから、仕事が増えるのはイヤなのよ・・・・①

子  わかった! 俺、家庭科でアイロン習ったから自分でかけるよ。アイロン出しといて!

親  そう! 自分でかけるんだね!
  そうしてくれると助かるなぁ・・・・②

 こちらの思いを わたしメッセージ できちんと伝えると、ちゃんとわかってくれることを実感。それにしても「自分でアイロンかける」のは意外な解決策でビックリ。「自分のことは自分で」という姿勢が嬉しかった。

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 このお母さんがこれまでと違う対応をしたその方法とは、 わたしメッセージ

 子どもの行動に対してイライラしたとき、

・子どもの行動を非難せずに言う
・親にどんな影響があるのか、具体的に言う
・その影響からどんな思いになるのかを正直に言う

という3つの要素を満たした表現方法です。

 この言い方で対応すると、「何で今ごろなの!」「自分で洗いなさい!」と言われたときとでは、言われた側は全く違った気持ちになります。

 「何で今ごろなの!」「自分で洗いなさい!」と言われたときは

・叱られたと思う
・親に対して敵意・反抗心が起こる
・洗う気にならない
という気持ち・状態になります。

 一方、 わたしメッセージ で、上記の会話①のように親に言われると、

・素直に親の話しを聞く気になる(反抗心が起こりにくい)
・なぜ親が困っているかが理解できる
・自分は親が困らないようにどうしてあげればいいかな?
と考えるという反応が子ども側に起こります。

 子どもの行動で親が困っているなら、子どもを責めないように表現する方が、子どもが行動を変えてくれやすい、ということです。

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 そして、もう1つ大切なことは、親が困っていることを子どもの提案でなんとかしてくれると言ったことに対して、②の会話のように、感謝の気持ちを伝えること。このお母さんは子どもの案にビックリもしたけれど、助かったという思いがあったので、それもちゃんと伝えました。

 それを聞いて、お子さんも自分の提案した行動により意欲が湧くでしょうし、親に対して温かい気持ちが生まれたかもしれませんね。

 この給食当番のエプロン問題。我が家も例外ではありません。
 私も以前は洗いに出されていないエプロンを見た途端に、イラっとして「またエプロン出してないっ!」って怒っていました。
 この話題をブログに書いたこともあったと思います。
 私の場合は、洗っていなくて当日持って行けなくて困るのは子ども、私は何も困らない、という気持ちの整理をするようになったので、エプロンが転がっていてもイライラしなくなりました。もちろん、洗い忘れた当の本人は毎回困ったはずです。
 困っている本人が解決策を考えるのが一番よいので、どうするかは子どもに任せ、私はただ困っている子どもの気持ちに耳を傾けるのみ。
 すると、夜中に自分で洗って朝自分でアイロンをかける、とか、洗濯は回すけど干してもらうのは親にお願いし朝自分でアイロンかける、とか、色々その時に応じて自分で考えて親に負担をあまり掛けないように乗り切っていました。
 親に負担を掛けないようにと子どもが思うのは、過去に親への影響をわたしメッセージでしっかり私が伝えたためです。

 エプロンを洗いに出し忘れている、という事に対して、自分がどう感じるか? それによって対応が変わりますし、それによって適当な対応方法がある、ということです。

 あなたなら、どちらですか? あなた自身がイライラしますか? それとも、子どもが困るだけ、と思いますか?

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小倉京子(おぐらきょうこ) ピースフルコミュニケーション代表・心理カウンセラー。自身の育児経験(3児の母)を生かしつつ、臨床心理学者トマス・ゴードン博士の唱えるコミュニケーション・スキルをベースに、あたたかい親子関係をつくっていくポイントをわかりやすくお伝えしていきます。 ブログ:http://ameblo.jp/hotto-mama/ ご感想・ご質問:peaceful.communication.family★gmail.comまで。(★を@に変えて送信してください) http://ameblo.jp/hotto-mama/

(2017年03月10日)