小倉京子の「子育てにも“コツ”ってあるんです」

第30回 『中1:「足デカッて言われた・・・・」』

 こんにちは。毎回実話をご紹介しつつ、お話を進めていますが、今回は習い事の先生に言われた一言がショックだった! というお話。

 いろいろな人との関わりの中で、本人は悪気はなく何気なく言った一言が相手にとっては傷付く一言だったという場合もけっこうあります。

 先生の一言に傷付いた子どもに対し、親はどう対応したらよいのでしょうか?

 私の講座の受講生さんの実際にあったお話から・・・・・。 *****************************************************************************
 13歳の娘がバレエのトウシューズのメンテナンスをしながら、話しかけてきました。

子  昨日、レッスンで発表会のブーツのサイズを先生にきかれたんだけど、「25cm」って答えたら「デカッ」て言われたんだ

親  「デカッ」て言われたの

子  そう。「デカッ」だよ。

親  「デカッ」て言われて傷付いたんだ

子  そうそう。でも(足が)大きい方がみばえがするって言われるからいいんだけどね

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 とっても短い会話ですが、この中にはとても大事なポイントがあります。

 普通子どもがこんな話をした場合、「まぁひどいことを言う先生ね!」と先生批判をしてしまったり、「まぁそんな言い方されたの?」と言い方を批判したりしないでしょうか。

 でも、この子が話したかったのは、言われて傷付いた、という自分の気持ち。

 このお母さんは、先生を批判することなく、お子さんの 話を聞くことに徹し 、お子さんが本当に話したかった「傷付いた」という気持ちにちゃんと気付いて、その 気持ちを共感して寄り添い ました。

 このお子さんは、本当に伝えたかった気持ちを分かってもらえたので、もうそれで気持ちが落ち着いたんでしょう。「デカッと言われた」という動かせない過去にこだわることなく、「大きい方が見栄えがするから」と自分の気持ちの切り替え、考え方の切り替えをすることができました。

 上記会話内のお母さんが言った二言は、どちらも 『能動的な聞き方』 と言われる傾聴の方法。   子どもの言った言葉をそのまま繰り返すことで、ちゃんと聴いて寄り添っていることを子どもに伝えます。
 また、「傷付いた」という 子どもの気持ちを推測して確認することで、子どもの気持ちを理解しようとしている姿勢が子どもに伝わります。 推測が合っていてれば、 理解してもらえたと子どもは感じ、子どもの安心感へとつながります 。

 ほっとしたからこそ、現実にひるむことなく、良いように捉えようという前向きな思考ができたのでしょう。

 こういったケースでは、親が慰める言葉を言うより、能動的に聞いた方が効果があります。特に、思春期の子どもは、親の必要以上の関わりを嫌がる傾向にあります。指示、提案、慰めなど、親が誘導するような言動には特に敏感です。

 落ち込んでいたり、悲しんでいるなどの場合、そこから早く脱するためになんとかしてあげたいと思うのは親の愛情ゆえですが、思春期の子どもの場合は特に、どう心を切り替え、どう復活するかは本人の力を信じて寄り添うのが一番子どもにとってよい道だったりするのです。  子ども自身もそれを一番望むではないでしょうか。

 親がしてあげられることは、子どもの気持ちへの共感・理解・寄り添い。これだけ?って物足りなく思うかもしれませんが、実はこれが一番子どもにとってありがたいことであり、ほどよい距離感を保て、親との信頼関係も培えることになるのです。

 今回の実例のような、こんな会話がさらっと自然にできれば、お子さんは自分で考えて自分で悩みや問題を解決をしていける力がついていきます。「自立」ですね♪

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小倉京子(おぐらきょうこ) 親業訓練協会認定インストラクター。自身の育児経験(3児の母)を生かしつつ、「親業」のスキルをベースに、あたたかい親子関係をつくっていくポイントをわかりやすくお伝えしていきます。 ブログ:http://ameblo.jp/hotto-mama/ HP:http://instructorkyokoogu.wix.com/peaceful-commu ご感想・ご質問:instructor_kyoko_ogura★oyagyo.or.jpまで。(★を@に変えて送信してください) http://ameblo.jp/hotto-mama/ http://instructorkyokoogu.wix.com/peaceful-commu

(2017年01月27日)