小倉京子の「子育てにも“コツ”ってあるんです」

第24回 『夏休み、イライラしやすいですね! その3』

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暑さにもイライラ(笑)

 夏休み中の親のイライラ対策、第3弾。

 今回は、親がイライラする子どもの行動のうち、親に具体的には影響がないケースを取り上げます。

■親に具体的な影響がないケース

 事例は引き続き 前回 前々回 と同じ内容でご説明していきます。

 夏休みにありがちな子どもの行動。それをみて親がイラっとする場合、親に具体的に影響があるかどうかを考えた時、どうやら親に影響がないと思われるケースについて、親の感じ方の例を挙げてみました。

●朝遅くまで寝ている

朝食が終わった人の分だけ先にお皿を片づけてしまうし、子どもが寝ていても関係なく掃除機を掛けてしまうから、家事への影響はぜんぜんない。 ただ、新学期が始まったら子どもが生活のペースを戻すのが大変になるだろうと心配する。

●いつまでもパジャマ姿でだらだらしている

突然の来客時に恥ずかしい思いをするのは親じゃなくて子ども。 でもメリハリのない生活をしているのがだらしなく感じて嫌だ。

●お手伝いをしない

お手伝いをしてくれなくても、家事は親がやるから特に困らない。 でも、夏休みなのだからそれくらい子どもはやるものだと思っている。 ほかの家庭ではみんななんらかのお手伝いはしているのに、自分の子がやらないのは、思いやりのある優しい子に育ってないかもと落胆する。

●なかなか宿題をやろうとしない

やらなくて困るのは、本当は子どもだとわかっている。 わかっているからこそ子どものために早めに声を掛けているのに、それに対して口答えするから腹が立ってくる。 やらなくてはならないことは、早めにやるべきだ。

 イライラしながら、親の心の中ではこんなふうにつぶやいていたりするのです。

■イライラする理由 

 親が具体的に困るわけではないけれど、その行動に腹が立つのは、
親と子どもで価値感が違う

からです。何を大切にしているか、の部分が違っているのです。
たとえば、

●朝遅くまで寝ている

 親:休みの日も規則正しい生活をすることは大切なことだ
 子:休みの時ぐらいゆったりした生活をするのはいいことだ

●いつまでもパジャマ姿でだらだらしている

 親:朝起きたらまずは服に着替えることは、みだしなみとして必要
 子:学校がない時は朝から家で着る服も含めてリラックスしたい

●お手伝いをしない

 親:子どもは親の手伝いをするべき
 子:やりたいことだけやる

●なかなか宿題をやろうとしない

 親:やらねばならないことは、早くやるべきだ
 子:やる気が出たらやればいい。休み中に終わらせれば問題ない

というように、物事に対する考え方・スタンスが違っているから、子どもは親の考え通りには当然動きませんし、親も自分の考えている通りに動こうとしない子どもにイライラするわけです。

■子どもが反抗するのはなぜ? 

 親が見ていてイライラした時、親の価値観をそのまま口にしたとします。

●「夏休みになっても規則正しい生活をしないとダメよ」
●「パジャマのままでいるというのは、みだしなみとして良いことじゃないわよ」
●「夏休みになったら普通子どもはお手伝いするものよ」
●「やらなくちゃいけない宿題はできるだけ早く終わらせなさい。」

こう言ったら、反発する子どもも多いでしょうね。反発まではしなくても機嫌がわるくなったり。

 なぜか?

 それは子どもにとっては大きなお世話だからです。親になんら影響しない、親に迷惑がかからないことで、つべこべ言われたくないのです。

”お母さんはべつに困らないでしょ?”
”僕のことだからほっといて!”
”私の勝手でしょ!”
という気持ちになるのです。

 大人だって、自分でよいと思ってやっていることについて、考え方・価値観が違う相手からその人の考えを押し付けられるのはとても嫌なものです。子どもだって自分なりの考え方を持っていて、それを大事にして生活しているのですから、親の価値観を押し付けられると反発したくなるのです。
■いろいろな対応法

 このように親の価値観を押し付けると子どもが反発したりして親子関係が壊れかねないですが、価値観を伝える、ということはできます。お互いの関係が良いタイミングで、親の考えや大切に思うことを伝えていくのです。イライラモードで伝えないので、子どもはその話を受け取りやすいというメリットがここにはあります。

 そして、自らそれを実行する人であることです。
 子どもにはパジャマでいるなというのに、自分もたまにそういう恰好でいては、子どもに言える立場ではなくなってしまいます。「お母さんだってやってるじゃん」と言いたくなることに、どうして子どもは同意するでしょう?
 親が言うことよりすることを子どもは学ぶ、とは 第21回目のコラム でお伝えしたばかりですね。まさにその効果を期待した対応ということです。

 親と子どもで価値観が違う場合、子どもの価値観も一度吟味してみることも価値があります。自分が絶対正しい、とは限らないからです。
 たとえば、私が時間に余裕をもって間に合うようにする人なのに対し、我が子のうちの一人は遅刻しなければぎりぎりでもよいと考える人。
 最初はそれにとてもイライラしていた私ですが、遅刻しない程度に間に合えばよいという考え方は、確かに遅刻したわけでないから問題ないかも・・・と思えるようになったら、いつもぎりぎりで出掛けていく我が子にイライラしなくなりました。間に合うために走ることになったとしても、困るのは私ではなく子ども本人ですしね。いつも走って間に合わせていることに本人が問題ないのであれば、私も特に気にする必要もありません。自分のやり方と違うからといっていちいち怒ることもないのです。  つまり子どもの価値観も受け入れたのです。自分が良いと思うことだけが〇で他は全部×ではなく、子どもが良いと思うこともOKかも・・・、と〇の範囲を広くしたのです。

 また、不要な価値観をガッチリ抱きしめていることもよくあるので、それをきっかけに手放すこともできます。不要な価値観は手放すととても楽になります。

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 更には、どんなに伝えても子どもに伝わらない、子どもの考え方が変わらないような場合は、いつかどこかで子ども自身が気付いてくれるだろうと信じていることも大切です。

 我が子のケースでもこの事例がよくあります。きっとそのうち気付くだろうと、口やかましく言うことをやめてじっと信じて待っていたら、子どもが自分で変わっていった、ということ。私の親業ブログではこのケースの話をその時々で書いてきました。

 口で言ってもすぐにはわかってくれないけれど、親の気持ちを伝え、親の考え方を伝え、あとは信じて待つうちに、子どもは体験の中から気付き、自ら軌道修正していきます。

 子どもも口では言わなくても、あぁあの時お母さんが話してくれたことだった、本当だった、と思うことでしょう。それに対して「ほうらね、だから言ったでしょ!」は不要ですよ(笑)そう言う代わりに、子どもが自分で気付いたことに親としての嬉しさを表現してくださいね。

 もう数日で夏休みも終わりですね。今年の夏休みはどんなでしたか?イライラが少なく過ごせたでしょうか?

 穏やかな日々をこれからも過ごせますように・・・☆

小倉京子(おぐらきょうこ) ピースフルコミュニケーション代表・心理カウンセラー。自身の育児経験(3児の母)を生かしつつ、臨床心理学者トマス・ゴードン博士の唱えるコミュニケーション・スキルをベースに、あたたかい親子関係をつくっていくポイントをわかりやすくお伝えしていきます。 ブログ:http://ameblo.jp/hotto-mama/ ご感想・ご質問:peaceful.communication.family★gmail.comまで。(★を@に変えて送信してください) http://ameblo.jp/hotto-mama/

(2016年08月26日)