小倉京子の「子育てにも“コツ”ってあるんです」

第6回 『子どもだってやる気が出ないことがある!』

 前回に続き、塾の宿題やお稽古の練習をしないことでの親子の衝突について、今回も取り上げていきます。

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 子どもが宿題や練習をやらないことで親がイライラするとき、親が子どもを「怒る」・「叱る」のではなく、なぜ親が怒れてしまうのか、その核心の「親の思い」の部分を、分かりやすく正直に子どもに伝えましょう、と子どもが反発しにくい話し方『わたしメッセージ』を 前回のコラム でお伝えしました。

 『わたしメッセージ』について、もう少し詳しくお話ししましょう。

 『わたしメッセージ』を言うときは、「私」を主語にして気持ちを伝えるとともに、その気持ちを起こさせる親への具体的な影響も合わせて伝えます。

 子どもがお稽古の宿題や練習をやらないことで、親に具体的に影響することがある場合は、子どもが行動を変えようという動機になりやすいからです。例えば「宿題をやっていないと親が塾の先生に呼び出されて親が怒られる。」とか「お稽古に通わせるために生活を切り詰めている。自分の服は買わないように我慢している。」などは、親に与えている影響として子どもが理解しやすいことでしょう。

 理由を納得すれば、自分から練習・宿題をしようと思うかもしれないですし、怒られない程度のやり方に変えるかもしれない。あるいは、塾・お稽古を辞める、という選択肢だってあり得ます。子どもの親に対する無条件の愛は深く、自分が原因で親を困らせていたことを理解すると、子どもなりの考え方で解決策を提案してくれることも多いのです。

 一方、親が自分の正直な気持ちで話をしても、子どもが反発をする場合、子どもの気持ちも聞く姿勢が大切です。親の考えを押し付けるのではなく、親の思いを伝えたら相手の思いも受け止めることは、コミュニケーションが一方方向ではなく双方向のものであることからも、必要性は理解しやすいですね。ここで子どもの言い分は聞かない!という態度を親が示せば、子どもだって親の話を聞く気にならないでしょう。

 子どもがやる気にならないとき、場合によっては、例えば学校で嫌なことがあったからその日は宿題をやる気にならないのかも知れませんし、特に理由はないけれどその日は練習をやる気にならない、という時だってあるでしょう。大人だって、今日は料理したくなーい!、掃除面倒!って思う日があるわけですから(笑)、子どもがそんな気持ちになったってぜんぜん不思議じゃありません。

 そんなときは、

 「やる気が起こらないんだね。」
 「練習したくないんだ」

 とやる気が起こらない子どもの気持ち、反発してきた子どもの気持ちを受け止めてください。この対応は『能動的な聞き方』と呼びますが、こうやって子どもの気持ちを聞いたら、やっぱりやらなきゃ!とやり始めたという実例もたくさんお聞きしています。親が叱り、なだめ、発破をかけてやらせようと躍起にならなくても、やらなきゃいけないと子ども自身が思っていることも多いのです。その気持ちに寄り添うだけで、やらなきゃという気持ちを萎えさせてしまうことなく、意欲として自発的に行動を起こすことに手を貸すことができるのです。

 しかし、『わたしメッセージ』で伝え『能動的な聞き方』で気持ちを聞いても、それでも行動を変えない、ということもあります。子どもだって感情をもつ生き物ですから、こうすればこうなる、と機械のように画一的な行動をするわけではありません。子どものいろいろな思い、考え方があり、それに基づいて行動するわけで、いろいろな反応があるわけです。このケースについても中身が深いので、とても一度のコラムでは書ききれません。追々お伝えしていこうと思っています。

 今回のポイントは、『わたしメッセージ』で自分の嫌だと思っていることを伝えたら、相手の話も『能動的な聞き方』で聞く、ということです。これだけでも、これまでの多くの衝突は、意見の対立から問題解決へと方向を変えていくと思います。

 次回は、どこの家庭でもありそうな、朝なかなか起きてこない、というお話を取り上げます。お楽しみに!

小倉京子(おぐらきょうこ) ピースフルコミュニケーション代表・心理カウンセラー。自身の育児経験(3児の母)を生かしつつ、臨床心理学者トマス・ゴードン博士の唱えるコミュニケーション・スキルをベースに、あたたかい親子関係をつくっていくポイントをわかりやすくお伝えしていきます。 ブログ:http://ameblo.jp/hotto-mama/ ご感想・ご質問:peaceful.communication.family★gmail.comまで。(★を@に変えて送信してください) http://ameblo.jp/hotto-mama/

(2015年11月27日)