小倉京子の「子育てにも“コツ”ってあるんです」

第4回 『子どもが安心できる居場所に』

もうすぐハロウィーンですね
もうすぐハロウィーンですね

 子どもが学校から帰ってきました。いつもは「ただいまぁ。あのね、今日○○ちゃんとドッヂボールしてね・・・・・・」と学校であったことをいっぱい話すのに、今日は無言でランドセルをリビングに投げ捨てたら、そのまま「はぁ~」と言ってソファーに座り元気がありません。

 例えばもしご自分のお子さんがこんな様子だったら、どんな言葉をかけますか?

  「なんでランドセル投げ捨てるの? 大事に扱いなさい!」
  「今日は学校どうだった? なんか楽しいことあった?」
  「どうしたの?ため息なんかついちゃって。なんかあったの?友達と喧嘩した?それとも先生に怒られたの?」

 いつもと違う子どもの様子に、学校で何かあったのだろうと推測はつきます。

 親はなんか変だなとは思うのですが、よくある対応は、目の前で子どもがやった行動自体に腹を立てて、まずそれを叱ってしまいします。変だな、と感じたことを放っておいてしまうのです。ランドセルを投げ捨てたことを叱る、もその一つ。この言葉に逆に子どもが腹を立てて、口答えをしたり、八つ当たりをしたり、更に状況が悪化する引き金になります。

 このときの子どもの心は、嫌な気持ちで学校から帰ってきたのに、親はそれをわかってくれるどころか、余計に嫌な気持ちにさせられた、ぜんぜん自分の気持ちをわかってくれていない、とがっかりした悲しい気持ちでしょう。

 また、元気がないことに気が付いて元気を出させようと、「今日はなにか楽しいことあった?」とほかに気持ちをそらせようとすると、元気のないことは無視された、と子どもは親が自分に関心がないのではと思ってしまいます。

 元気がない理由を知りたくなるのも、親の心。心配ですからね。そこで根掘り葉掘り尋ねすぎて、子どもを怒らせてしまったり、逃げていってしまったり。

 つまり、これらの対応は全部逆効果。

 子どもが何か悩みがあるな、困っているな、と察知したら、子どもの気持ちに寄り添ってあげることが大事です。子どもの話を「聞く」ということです。

 子どもが困っているとわかると、親はつい、なんとか早く解決してあげたくなります。でも、子どもが自立した子に育ってほしいと望むなら、親が解決策を与えることは得策とは言えません。

 親が思っている以上に子どもは道を切り開く能力を生まれながらにして持っています。それを信じて、子どもを信頼して、自分で解決していけるように親は横からサポートする立場に立ちます。

 その方法が、子どもの話を「共感」して「聞く」ということです。子どもの「心の声」を「聞く」と言い換えてもいいかもしれません。

 まず、話しやすいように声掛けします。

  「なんかあった?もしよかったら話してごらん。お母さんいつでも聞くよ」

 話しにくい内容の場合は、すぐには話さないかもしれませんし、声を掛けたらかといって必ずしも話すとは限りません。しかし、安心して話せる場所がここにある、ということを子どもに知らせるだけでも大切な言葉掛けです。

 子どもが話し始めたら、親は自分の考えを言ったり提案をしないようにし、

  「そうなの、うん、うん」
  「あぁ、なるほどね」
  「そうかぁ」

などの相槌や、子どもの気持ちを汲んで言葉をフィードバックします。

子「もうサイテー」
親「そうか、ひどくがっかりしたんだね」

とか

子「○○ちゃんは△△△って言ってくるから、もうぜったい遊ばない!」
親「そんなに○○ちゃんの言ったことが嫌だったんだね」

など、子どもがどんな気持ちなのかを確認するように言葉を選んで話を聞いていきます。

 このような聞き方は、子どもが反発したくなることが少ない上に、親が子どもを受け容れていること、子どもの存在を大切に思っていること、子どもの考えを尊重しようとしていること、などを子どもに伝えることになります。

 自分を理解してくれたことがわかると、自然に解決しようとする方向へと思考が向かっていきます。理解されて心が安心すると、次へのステップへと移る原動力が生まれるのです。これこそ、自立への道です。自分で自分の問題を解決していく力を身につけていくことになるのです。

 そして親子の心の架け橋もかかっていくようになります。困ったら、悩んだら、いつでも話を聞いてもらえる家族がいることは、子どもの心の居場所を家庭に用意できることでもあります。

 次回はお稽古について、取り上げます。

小倉京子(おぐらきょうこ) ピースフルコミュニケーション代表・心理カウンセラー。自身の育児経験(3児の母)を生かしつつ、自身が伝える子育てのスキルをベースに、あたたかい親子関係をつくっていくポイントをわかりやすくお伝えしていきます。 ブログ:http://ameblo.jp/hotto-mama/ ご感想・ご質問:peaceful.communication.family★gmail.comまで。(★を@に変えて送信してください) http://ameblo.jp/hotto-mama/

(2015年10月23日)