小倉京子の「子育てにも“コツ”ってあるんです」

第3回 『親の思い、伝わっていますか?』

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 第1回目から3回続けて、親子関係を壊してしまいやすい言い方として『お決まりの12の型』を取り上げています。

 この『お決まりの12の型』は、たいていの親が日常的に繰り返し使っている言い方です。

 なぜ、簡単に使ってしまうのか? それは、親子だから愛情があるとわかっている、と思い込んでいるところに、落とし穴があるのです。親が子どものためを思って言っていることを子どもは当然わかっていると、親が信じているのです。

 でも残念ながら、親の愛情どころか、言葉どおりに理解したり、あるいは、それ以外のメッセージを子どもは受け取っています。

 まだご紹介していない『お決まりの12の型』のうちの6種類を例にあげながら、言葉にした親の思いと、子どもが親からどんなメッセージを受け取るかをみていきます。(ほかの6種類は 第2回目のコラム をご覧ください)

◆「賞賛」
例「あなたはやればできる子だから、がんばりなさい。」

親   : 褒めてがんばらせよう
子ども : 頑張れないときに、もっと頑張れと言われることで辛さを感じる
  親には自分の気持ちがわかってもらえない
  結局親はやらせたいだけなんだと思う
  親の魂胆が透けてみえるので、嫌な感じ

◆「侮辱」
例「なんでもっと気を付けてやれないの!いつも注意力散漫なんだからっ!」

親   : まだまだこどもだから指摘してあげないとわからないはず。
  いろいろなことに気を配れる子になってほしい。
子ども : 侮辱された、バカにされた、自尊心を傷付けられた

◆「解釈」
例「本当は、弟の新しいおもちゃが貸してほしくて、そんなこと言ってるんでしょ?」

親   : 親はすべてお見通しということを理解させ、行動を諌めようと思う
子ども : 親の推測が外れていた場合 → 親は自分を理解していない
勝手に推測されて不愉快
親に対する不信感
 推測通りだった場合 → 気持ちを見透かされて傷付く

◆「同情」
例「大変なのはみんな同じだよ。みんなそれを乗り越えてるんだよ」

親   : 激励する、もっと頑張ってほしい
子ども : 自分の気持ちは大したことではない、と親は思っているんだ
  親は自分を理解していない
  受容されていない

◆「尋問」
例「なんでそんな喧嘩になっちゃったの?相手はだれ?原因はどっち?」

親   : 心配で、理由を知って一緒に解決してあげたい
  すべての情報が知りたい
子ども : 詮索されている、根掘り葉掘り聞き出そうとしている、と感じる
  責められるから話したくない
  うるさい、放っておいてほしい

◆「ごまかし」
例「そんな、嫌なことばっかり考えてないで、好きなテレビでも見たら?」

親   : 注意を他にそらして、子どもの気分を変えよう
子ども : ちゃんと気持ちを受け取ってくれていない、話を聞く気がない、
  親はどうでもいいと思っている、と感じる

 これらのパターンの話し方は、親子関係が良好なときには、実は大きな影響を与えません。また、子どもがなんら問題を抱えていない場合にも、それほど関係にひびが入ることはありません。

 しかし、親子間の心の架け橋がない場合、あるいは、子どもが悩みを抱えていたり困っている時に使うと、悪影響を及ぼすのです。

 『お決まりの12の型』を日常的に使い続けていた場合には、最初は子どもの心の中はモヤモヤしているだけですが、段々子どもの気持ちとして、以下のような思いが蓄積され、確固たる思いとして認識されていきます。

   ・親は自分を悪い子だと思っている
   ・自分は信用されていない
   ・自分は大事に思われていない
   ・バカにされている
   ・自分では何もできない子だと親は思っている
   ・親は自分のことをわかってくれていない
   ・自分は受容されていない
   ・親に対しての嫌悪感

 子どもが抱えたこれらの気持ちは、親の「子どものために」という思いとは大きくかけ離れたものですね。

 思いが正しく伝わらない話し方ではなく、親が子を思う気持ちが伝わる言い方とはどのようなものか。次回は、親が子どもを受容していることが伝わる関わり方をお伝えします。

小倉京子(おぐらきょうこ) ピースフルコミュニケーション代表・心理カウンセラー。自身の育児経験(3児の母)を生かしつつ、自身が伝える子育てのスキルをベースに、あたたかい親子関係をつくっていくポイントをわかりやすくお伝えしていきます。 ブログ:http://ameblo.jp/hotto-mama/ ご感想・ご質問:peaceful.communication.family★gmail.comまで。(★を@に変えて送信してください) http://ameblo.jp/hotto-mama/

(2015年10月09日)