小倉京子の「子育てにも“コツ”ってあるんです」

第2回 『ちょっと待って!いつもの会話』

 親が子どもに対していつも口にする言葉は、子どものために、という思いがあって言っていることが多いですよね。

【1】 「おもちゃで遊んだら片づけなさい!」
【2】 「宿題しないとゲーム取り上げるわよっ!」
【3】 「お友達からお菓子をもらったらありがとうって言うものよ!」
【4】 「外に行くのが嫌だったら、友達をうちに呼べばいいじゃない」
【5】 「食事中に肘をつくのは、みっともないからやるべきじゃないわ」
【6】 「ほんとうにお前はいつも落ち着きがないね」

という言葉、どこかの家庭から聞こえてきそうな会話です。

 これらは、『お決まりの12の型』といって、子どもが心を閉ざしてしまいやすい言い方、あるいはのびのびと心が成長することを妨げてしまう言い方とされています。

 【1】~【6】の会話は、それぞれ、言葉には表れていないけれど、親の子どもを思う気持ちが隠れています。親がどんな思いで言い、そして言われた子どもはどんな気持ちになるのかを、12の型の種別とともに、1つ1つみていきましょう。(番号は上記の会話の番号に対応しています)

【1】 指示・命令
親の思い : ちゃんと片付けができる子になってほしい
子どもの思い : 叱られた、うるさい、
           今やろうと思ったのに先に言われてやる気が失せた

【2】 脅迫
親の思い : 宿題をきちんとやって、知識をたくさん持っていてほしい
子どもの思い : ゲームを取られるのは嫌だから、仕方ないから宿題をやろう
           いつも大好きなものを交換条件に出してずるいな!

【3】 説教
親の思い : 礼儀をわきまえた大人になってほしい
子どもの思い : 言われなくてもわかってるよ!うるさいなぁ
           叱られた、ありがとうと言えなかった自分は悪い子かも

【4】 提案
親の思い : 他の解決方法もあることを子どもに教えたい
子どもの思い : 自分で考えるからいいよ。ほっといて!
           自分で方法を考えられないバカな子だと親は思っているんだ
           これから何だってお母さんに訊けばいい方法を教えてくれる

【5】 講義
親の思い : 作法を知って、将来恥をかかないように
子どもの思い : 叱られた、うるさいなぁ、バカにされてる感じがする

【6】 非難
親の思い : 落ち着きのある人になってほしい
子どもの思い : 自分って駄目な子なのかな? 
           親は自分を認めてくれていない
           いつも同じことを言われて、うるさい
           どうせダメな子だから、いいもん!

 親の思いと子どもの感じ方、ずいぶん違いますよね。親の気持ちは、どうやらそのまま伝わってはいないようです。

 うちはこの言い方でも特に問題ないわ、と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

 確かに、ここでご紹介した言い方は、親子間で心の架け橋がかかっている場合には、大して問題になりません。しかし、知らず知らずのうちに架け橋が外れてしまっている関係性の中で、この言い方をすると、お互いの思いが伝わらない、理解し合えないことになります。そうならないための予防的な意味でも、これらの言い方は避けた方がよい、ということです。

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 『お決まりの12の型』で言われた子どもは、嫌な気持ちを味わったり、傷付きます。親はいつも通りのことを軽い気持ちで言ったとしても、何度も言われることで、子どもは「親は自分のことを嫌いなんだ」と思ってしまったり、親のことを疎ましく感じたり、「自分は悪い子なんだ」と心に刻み込んでいってしまう可能性があるのです。

 子育てに一生懸命であるがゆえの言動が、実は親と子の心の距離を徐々に離してしまっているとしたら・・・・・。本当は子どもへの愛情がそのまま子どもに伝わってほしい、と誰もが願っているはずなのに・・・・・。

 次回は、『お決まりの12の型』の他の6種類についてお伝えします。

小倉京子(おぐらきょうこ) ピースフルコミュニケーション代表・心理カウンセラー。自身の育児経験(3児の母)を生かしつつ、臨床心理学者トマス・ゴードン博士の唱えるコミュニケーション・スキルをベースに、あたたかい親子関係をつくっていくポイントをわかりやすくお伝えしていきます。 ブログ:http://ameblo.jp/hotto-mama/ ご感想・ご質問:peaceful.communication.family★gmail.comまで。(★を@に変えて送信してください) http://ameblo.jp/hotto-mama/

(2015年09月25日)