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神野三枝の「誰ともかぶらない大人のおもてなし」
神野三枝の「誰ともかぶらない大人のおもてなし」

第6回 『スイーツマジックの信長』

 スイーツ界のエジソン。知的で寛雅なその雰囲気からは、とても想像もできない型破りな経歴の持ち主でした。
「SWEETS MAGIC(スイーツマジック)」代表取締役 水谷義之(みずたによしゆき)氏
 その人物とは、極上プリンの専門店「SWEETS MAGIC(スイーツマジック)」代表取締役 水谷義之(みずたによしゆき)氏。  2007年、郵政民営化がスタートしたその年、日本に突如とてつもないプリンが誕生し、発売開始と同時に半年先の予約まで完売という、日本スイーツ界の歴史に記憶を残した人物です。  学生時代、レールに乗っかる年功序列の日本社会に反骨心を持っていた水谷氏は、単身アメリカに渡り、帰国後、外食産業企業に就職するも、やはり年功序列の壁が立ちはだかり、ジレンマとの戦い。しかしながら入社から2年1日後に最短店長就任記録を打ち立て、入社から11年目には会社の心臓部である人事管理まで任される幹部へと出世して行ったのでありました。しかし、常に頭にあるのは、このままレールに乗っていくことは本来自分が抱いていた信念と違うのではないか?という疑念。その心の葛藤で出社拒否の日々を過ごしたことも。
中村区にある店舗の外観
中村区にある店舗の外観
 そして、人生は一度しかない、17年お世話になった会社を退職したのが39歳の時。これまで学ばせて頂いたこの会社がどんなに素晴らしい企業であったかを、自分が起業して成功する事で、世間に証明してみせる。そんな古巣への敬意と感謝の気持ちで独立に踏み切ったのでした。
 
ザ・プレミアム バニラ 5個入り3000円(税込3240円)
ザ・プレミアム バニラ 5個入り3000円(税込3240円)
 独立に当たっての信念は1つ。古巣とかぶらない商品で勝負をする! それが水谷氏流の義理立ての流儀。そこで誕生したのが「極上プリン」。
 
ザ・プレミアム バニラ
 味、食感、器から値段設定まで、すべてにおいてこれまでの「大衆のおやつ」プリンの概念を覆した、常識外れであり、且つ緻密なプリン。 極上プリンを手にしたことのある人なら、あの食べる前の期待感はお分かりでしょう・・・。
 
(左上)(左下)アマンド (右上)(右下)バニラロール (中)信長
(左上)(左下)アマンド (右上)(右下)バニラロール (中)信長
 しかしながら、今回ご紹介するのは、その極上プリンではなく、ロールケーキです。  -なぜ、プリンで大成功されたのに、ロールケーキを出されたのですか?-  すると水谷氏は穏やかに微笑みを浮かべて言われました。「プリンしか作れない、と思われるからです(笑)」しかしこれは水谷氏流のジョーク。なぜなら日本にロールケーキブームが巻き起こる前に、すでに先見の明とも言うべく、水谷氏はとんでもないロールケーキを世に出していたからです。とんでもないとは・・・、真っ黒のロールケーキ。ロールケーキの黒はココアパウダーで出すのですが、当時の技術では赤茶色までが限界でした。それを焙煎の仕方を開発し、これまで有り得なかった真っ黒の生地に成功したのです。このこだわりこそが水谷氏の発明家としての頭脳部分です。  水谷氏は言われます。  「スイーツの世界は特殊で、世間の嗜好が流行の移り変わりを期待するため、30年売り続けることのできるロングセラー商品はなかなかないのです。だからこそ、ロングセラーに執着したいのです。30年売り続けることができる商品を作る。それが私のこだわりです」と。  最後にお聞きした「夢は何ですか?」の問いの答えは想定外であり、エジソンの起業家の頭脳に触れ、ほろっとした言葉でした。  「働いてくれている人が、将来にわたって安定した生活ができる組織を作ることです」  あの破天荒だった若者は、いつの間にか、大勢の社員の方の人生の責任までも我が夢と抱くほど、大きな運命を背負われたのですね。  日本にケーキが本格的に入ってきてから60年。今やこぞって新しい作品を作りたがるパティシエブームの中、スイーツマジックは創業から変わらぬ同じ商品をこの先も作り続けていくことでしょう。

(2015年06月15日)

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