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神野三枝の「誰ともかぶらない大人のおもてなし」
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第5回 『キッセキッセのピクルス』

 日本国内に漬物メーカーは1800社くらいあると言われています。それぞれのメーカーが50ないし100種の商品を展開していますので、日本では実に15万種類以上のお漬物が存在することになります。とはいえ、結局メーカーの名前こそ違えど似たような商品となり、贈り物にするにも代り映えしない感が出てしまうのが悩みどころ・・・。  そんなある日、とても珍しいお品をいただきました。“ピクルス”です。ピクルスというと、海外からの輸入品で瓶詰めになっており、いつ作ったものだかもわからないようなイメージがあります。特にアレルギー体質の私には防腐剤などが不安で、どうしても海外の輸入品となると敬遠してしまうのです。  ところが、そのいただいたピクルスは、食品添加物、保存料等は一切使っていないのです。しかも主に飛騨高山の新鮮な野菜を使い、全て自家製で作っておられるのです。
キッセキッセのピクルス
 食べてみると、なんとも食材の持つ香りや旨味、食感が生きていることを感じます。そして主に三温糖を使用することにより、程よいコクと甘すぎない品の良さが感じられ、下ごしらえに工夫を施し、野菜の食感が食べ応えのあるものに仕上がっています。輸入品のよくあるピクルスのフニャフニャ感とは一線を画するものがあります。
 
キッセキッセのピクルス
 一番興味を持ったのは、緻密に織り交ぜた香辛料。一体何をどんな風に入れているのだろうか・・・?食べ物を口にし、目を閉じ、口の中と相談するなどあまりないことです。とにかく、手が込んでいることだけは確かです。  作っているのは、高山駅から歩いて10分ほど、陣屋前交差点すぐ近くにあるピクルス専門店の「KISSE KISSE(キッセキッセ)」オーナー古守恵子(ふるもりけいこ)さん。
 
オーナー古守恵子さん
 定年すぎまで放送局の正社員としてメディア一筋で生きてこられたという異色の経歴を持つオーナーです。たまたま食べたピクルスに魅力を感じ、自分でも作り始めたのがピクルスとの出会い。以後20年にわたって食材選びやスパイスの調合を独自に研究、そして退職後、ふるさと高山で念願の専門店をオープンされたのでした。
 
キッセキッセ店内
 おしゃれでモダンな店舗は設計士であるご主人のデザインです  店名のキッセキッセは恵子さんのお母さんのお名前「きせ」さんが由来だとか。冬が近づくと大きな樽に幾つも漬物を漬け、朝晩の食事をこさえておられた母きせさんの口癖は「料理はひと手間が大事」。その教えを忘れないようにと、お母さんの名前を店名にされたそうです。  ピクルスになっている食材は、きゅうり、人参、玉ねぎ、セロリ、うずら卵、パプリカ、じゃがいも、プチトマト、キャベツ、アスパラを始め、その時々の季節の旬野菜。また、お好みにより、塩分や糖質、アルコールの有無などの希望に沿ったオーダー品も受注生産してくれます。
キッセキッセのピクルス
 ピクルス作りで一番大変なのは、材料の持つ個性とつけ汁との味のバランス。それぞれの食材に合うスパイスを見つけ出し、10種類にも及ぶスパイスを絶妙な匙加減で調合し、そこから生まれる妥協のない味をレシピとして数値化する。この作業が最も困難を来すそうです。
 
キッセキッセのピクルス
 「人様に食べていただくものだから、下ごしらえからキチンと作りたい」この思いは、亡き母きせさんの口癖「料理はひと手間が大事」から受け継がれた恵子さんが最も大事にしている魂です。そうして手間暇惜しまずこさえたこだわりのピクルスは我が子同然という恵子さん。  冒頭に書きましたように日本古来のお漬物と違い、ピクルスを製造販売しているお店は全国でも珍しく、しかも伝統ある飛騨高山に根付いたお漬物という文化に、新しい歴史を刻み始めたキッセキッセの味は、温故知新の粋な逸品として、先様に大層驚かれることでしょう。

(2015年06月01日)

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