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神野三枝の「誰ともかぶらない大人のおもてなし」
神野三枝の「誰ともかぶらない大人のおもてなし」

第1回 『大久手山本屋のカレー煮込うどん』

 オピリーナ誕生から8年。
 この度、第3弾のコラムを始めさせていただく運びとなりました。
 第1弾は母と私の人生を記した「礼状」。私がラジオでは決して明かすことのなかった、私の伝えたかったことを書きました。こちらは多くの皆様にご支持をいただき、2012年に「母への礼状」として出版させていただくことができました。
 第2弾は、時代は韓流ドラマ全盛期、ドラマのロケ地に赴き、取材内容を「タビコラ」として趣味の世界を4年にわたり書いてまいりました。
 そして今回、第3弾では、自分なら“知りたい”“読みたい”と思う分野を書こうと考えました。それは何かと言いますと・・・。  こんなことがありました。あるお世話になっている方のお祝いの席に、手土産のお品をお持ちした時のことでした。応接に通され、ふと奥に目をやると、すでに多くの方から贈られたと思われる手土産のお品がずらりと並んでいました。よく見ると、今まさに私がお持ちした有名メーカーの紙袋が幾つもあるのです。「かぶった?」銘菓であっても、他の方とかぶってしまえば、ただのありきたり・・・。

 そんな場面に、大人のちょっと粋なおもてなしができたら素敵だと思いませんか?
私なら、そんな情報を知りたい。そこで第3弾は「誰ともかぶらない、大人のおもてなし」をテーマにコラムをお届けしてまいります。  タイトルにあります椿の生花は、花人 河村敦子先生の作品です。
 おもてなしの心に素晴らしい華を添えていただき、誠にありがとうございます。  それでは、本題に入ってまいりましょう。
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 名古屋といえば味噌煮込みうどん。ところが似たような名前のお店がいくつもあり、他府県からのお客様に「その違いは何か?」と尋ねられると、正確に答えられる名古屋人は実はそんなにいなかったりするものです。
文化の歴史を心得るのも、粋な大人のおもてなしの一つだと思いませんか?  昭和55年に発刊された「大須大福帳」という名古屋大須の歴史をまとめた書物があり、その中にある大正12年の地図に「山本にこみ」が記されています。
営んでいたのは、初代島本万吉(しまもとまんきち)氏です。
 
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 万吉さんには息子と娘がおりましたが、息子は医師であり、実子に店を継がせることができなかった万吉さんは、自分の店にわずか13歳、幼少の砌から働き、万全な信頼を寄せていた町田(まちだ)雪枝(ゆきえ)とその夫、守一(しゅういち)夫婦に受け継がせたのです。時は流れ守一、雪枝も次の代に暖簾を任せることになった時、4人いた子供が山本屋総本家として受け継いだのでした。4人はそれぞれ店を拡張し、デパートへの進出も果たし、名実共に名古屋の名物へと成長を遂げたのです。その4人の跡取りの一人が長女である浅井昭代(あさいあきよ)とその夫である仲治(なかはる)夫婦。2人は大久手に店を構え、創業時と変わらぬ万吉さんの伝統の味を引き継ぐことに命を掛けてきたのです。
(左上)左から4代目青木一哉さん、3代目仲治さん夫婦、5代目晃祐さん夫婦、4代目美千代さん、5代目裕典さん(右)麺を打つ5代目次男晃祐(こうすけ)さん
(左上)左から4代目青木一哉さん、3代目仲治さん夫婦、5代目晃祐さん夫婦、4代目美千代さん、5代目裕典さん(右)麺を打つ5代目次男晃祐(こうすけ)さん
 現在はその娘夫婦である青木一哉(あおきかずや)・美千代(みちよ)夫婦が4代目となり、屋号を「大久手山本屋」とし、大正時代から受け継いできた、万吉直伝本物の手打ちうどんにこだわり続け、5代目にあたる2人の息子、裕典(ひろのり)さん・晃祐(こうすけ)さんと共に歴史ある暖簾を守っておられます。  そこで今回の誰ともかぶらない大人のおもてなしは・・・
 知る人ぞ知る、大久手山本屋の「カレー煮込うどん」です。
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 今から10年前、青木夫妻の元にお客様から「ここの手打ちうどんでカレー煮込を食べたい」という要望が寄せられました。カレーは味噌と違って麺に味が浸透しにくいという難点があります。試行錯誤を繰り返し、この難題を克服し、世に多くあるカレーうどんとは一線を画した渾身のカレー煮込を作り上げるのに、実に3年の歳月を費やした至極の逸品です。  4代目店主青木一哉さんは言われます。
 「名古屋文化に刻まれた味を守り抜くのが私と私の家族の使命であり、この重責を誇りに思い、一層の精進を重ねていきます」
ひたすら真面目に、ひたすら地道に、山本屋の暖簾を守ることが、名古屋の食文化の歴史を守ることになるのです・・・。

(2015年04月06日)

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