かくけんと/1989年生まれ。東京都出身。2007年、映画『神童』で俳優デビュー。09年の映画『銀色の雨』で初主演を飾る。11年に舞台『スマートモテリーマン講座』、12年にミュージカル『モンティ・パイソンのスパマロット』への出演も。最近の出演作として、『森山中教習所』(16)、『茅ヶ崎物語 ~MY LITTLE HOMETOWN~』(17)、『斉木楠雄のΨ難』(17)など多数。
観ている人を誰も置いていかない
純度100%の映画です
“競技かるた”を題材にした少女コミックス『ちはやふる』。2016年には2部作([上の句][下の句])として実写映画化され、200万人を超える観客動員数を記録しました。“大人も感動できる青春映画の金字塔”として話題を呼んだヒット作の続編、『ちはやふる -結び-』が3月17日(土)に公開を迎えます。そこで今作で初登場となる競技かるた界最高峰の名人、周防久志を演じた賀来賢人さんにお話を伺いました。
-映画『ちはやふる』の印象を教えてください。
私は前回の2部作([上の句][下の句])に出演していなかったので、原作、映画共に今作のお話をいただいてから見ました。前作の映画を観て「普通の青春映画とは違うな」という感想を抱いたのを覚えています。競技かるたの対戦シーンはカメラワークにこだわっていて臨場感がありますし、演者一人ひとりが発する言葉も綺麗で、詩的とさえ感じました。映画に関わるすべての人が真剣で、単なる「青春映画」と説明できない不思議な魅力を感じる作品ですね。
-賀来さんが演じられた「周防久志」はどんな人物ですか?
大学1年でかるたを始め、競技かるた界の最高峰に君臨する最強の名人です。映画では今作が初登場となり、原作の中でもとても人気のあるキャラクターだと聞いています。カリスマ的な気質を持つ人物なので、出演のオファーを受けた際は嬉しかったですね。「演じてみたい」と思わせてくれる素敵な役柄だと思います。
-実際に演じられていかがでしたか?
自分として「こんな風に演じよう」という強い意識はありませんでした。周防久志は圧倒的な強さの中に、どこか憎めないチャーミングさをあわせ持つ人。そんな、“完璧そうに見えて隙がある”という彼の人柄を表現するには、自身も自然体で演じなければいけないと感じました。言葉と言葉の間だったり、目の配らせ方だったり、無意識のうちにやる仕草だったり。本当に細かい部分でも監督に相談を重ね、自分が周防久志を演じる上でどんなことができるのかを大切に考えました。
-賀来さんの競技かるたの対戦シーンも印象的です。
周防久志は多くの競技者とは異なり、札を派手に取ることなく静かに対戦を進めていきます。狙った札へ手をのばす速さと、正確な手さばきが王者たる所以なのですが、あの振る舞いは簡単そうに見えて実は難しいんです。狙った札を冷静に取る練習はかなり積みましたね。練習を重ねる一方で、「豪快に札を取る演技もしたいな」と少し思いながら(笑)。
-共演者の印象は?
撮影は真島太一を演じた、野村周平くんとのシーンがほとんどでした。野村くんとは過去に共演した経験もあったので、お互い違和感を覚えることなく自然な形で役を演じることができていたと思いますね。
それと共演者同士で競技かるたの練習会があった際に、綿谷新役の新田真剣佑くんとの対戦が印象に残っています。真剣佑くんとはその時が初対面で、「賀来さん!かるたやりましょう!」って声をかけてくれて。それで対戦したらあまりの迫力に・・・「この子怖い」って思っちゃいましたよ(笑)。しかし、それくらい本気で競技かるたに向き合っていることが分かって、真面目で努力家なんだなと思いました。
-本作の見どころと、中日新聞読者へメッセージを!
『ちはやふる』のファンはもちろん、前回の2部作([上の句][下の句])を観ていない人でも楽しんでもらえる映画だと思います。若い方だけではなく、大人も熱くなれる“純度100%のストレートさ”がこの映画の魅力ですね!

賀来賢人 出演映画

©末次由紀/講談社
- 3月17日(土)全国東宝系にて公開
『ちはやふる -結び-』 - ――今、一生忘れることのない最後の夏が始まる。累計2200万部を超える国民的大ベストセラー『ちはやふる』の実写版映画が遂に完結する。監督は小泉徳宏が前作から続投。広瀬すず、野村周平、新田真剣佑など再集結するキャストに加え、優希美青、佐野勇人、賀来賢人と今作が初登場となる面々も。“競技かるた”を題材に、日本中に熱い感動を再び巻き起こす!
(2018年3月2日 中日新聞掲載)
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