ありむらかすみ/1993年生まれ。兵庫県出身。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(2013)で人気を獲得し、映画『ビリギャル』(2015)で、第39回日本アカデミー賞優秀主演女優賞と新人俳優賞を受賞。今年4月から放映のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」の主演を務めるなど、今最も輝く若手女優。公開待機作に『ナラタージュ』
戦国武将たちの生き様が心に響く
「魂が、生きている」と感じる
天下分け目の関ヶ原。その戦いの幕が上がる。戦国史上最大の合戦を、映画史上初めて真正面から描いた『関ヶ原』が8月26日に公開!司馬遼太郎原作の国民的ベストセラーを、名匠・原田眞人監督が圧倒的スケールで現代に蘇らせます。石田三成(岡田准一)、徳川家康(役所広司)ら、戦国武将たちの真実に迫る本作。伊賀の忍び「初芽」を演じた有村架純さんに、作品の魅力などを聞きました。
-本作の見どころをお聞かせください。
丁寧に、そして濃密に描かれた人間模様です。圧倒されるほどの壮大なスケールで描かれる合戦シーンはもちろんですが、戦いに至るまでの武将たちの葛藤や思惑などの心理描写が緻密に描かれ、本当に見応えがあります。原田監督が「人間そのものを描きたい」とおっしゃっていたので、その言葉通りの作品になっていると思います。
-伊賀の忍び「初芽」を演じていますが、苦労した点は?
初めての本格時代劇のため、セリフの言い回しや着物での所作などに苦労しました。殺陣などのアクションもしっかり稽古をして臨みましたが、原田監督と一緒に「初芽」という人物をつくり上げたという感じです。セリフの速度や感情を込める、抑えるなどの指導を受けながら演じた初芽は、死さえも恐れず、主従関係のなかでただただ任務を全うするためだけに生きる忍び。それが、正義を貫く純粋な石田三成と出会い、少しずつ惹かれていきます。正義に生きる三成に気持ちを寄せていく、新しい感情が芽生えていく、その心の運び方に苦戦しました。
-石田三成を演じた岡田准一さんの印象は?
まさに、プロフェッショナル。岡田さんはきっと本読みの段階からセリフはすべて頭に入っているだろうなとは思っていましたが、実際その通りでした。撮影前から、すでに完璧!私も準備を徹底して臨みましたが、まだまだと痛感しました。撮影現場は常にピーンと張り詰めていましたが、カメラが回っていない時の岡田さんは、ほわ~んとして、とても柔らかい雰囲気なんです。その姿に、私も含めて共演者やスタッフの皆さん全員が癒されていたと思います。それと岡田さんから「馬に乗れるようになった方がいいよ」と。本作でも岡田さんの騎馬シーンが登場しますが、「すごい」のひと言。時代劇には欠かせませんから、私も真剣に挑戦しようと考えています。
-有村さんが好きな武将は?徳川家康ゆかりの地での思い出は?
もちろん、石田三成ですが・・・島左近(平岳大)も、とても寛大な人物で素敵だなと思いました。なりふり構わず、真っ直ぐに石田三成を支えることができたのは、島左近しかいなかったのではと思います。
名古屋は、思い出深い地ですね。映画『ビリギャル』(2015)のロケで真冬の真夜中に、プリンセス大通りをミニスカート姿で走り抜けましたから(笑)。
-最後に、中日新聞読者へメッセージをお願いします。
“魂が、生きている”。登場人物たちの心理描写、壮絶な合戦シーン、スクリーンのなかで戦国武将たちの魂を実感できると思います。今までとは異なる、武将たちの姿に出会えると思います。ぜひ劇場でその迫力の映像を、魂を感じてください。

有村架純 出演映画

- 8月26日(土)全国東宝系にて公開
『関ヶ原』 - 1600年9月15日、石田三成はいかにして徳川家康と世紀の合戦を戦うのか?権謀渦巻く中、「愛」と「正義」を貫き通す三成と、野望に燃える家康の戦いが今、幕を開ける!岡田准一、役所広司、有村架純、平岳大、東出昌大といった豪華キャストを迎え、エキストラ3000人規模の合戦シーンは、大迫力の映像体験となって観る者を圧倒する。
(2017年7月1日 中日新聞掲載)
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