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さよなら歌舞伎町 (R15+)

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さよなら歌舞伎町 (R15+)
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歌舞伎町のラブホテルで
交錯する男女の群像劇

 メジャーからインディペンデントまで多彩な作品を手掛け、官能的な映像世界で魅了させてくれる廣木隆一監督。本作は、監督とタッグを組んでいる「ヴァイブレータ」、「やわらかい生活」の脚本家・荒井晴彦のオリジナル脚本から始まり、企画されたもので、売れっ子監督の空いているスケジュールが2013年の12月のみ。荒井さんからは主演を染谷将太、廣木さんは前田敦子を指名。廣木監督は、かねてから前田敦子と仕事がしたかったそう。そして彼らも多忙なためスケジュール調整が大変だったのですが、染谷将太の空いているスケジュールが12月の2週間のみ。そこに合わせて撮影をしたそうです。

 また、本作は廣木さんにとっては初の群像劇。さらにピンク映画時代によく撮影していた歌舞伎町の街角を熟知していたのでこの撮影期間で乗り切ることが出来たのかもしれませんね。新宿エリアは開発が進み、失われつつある町の情景を映画に収めているわけで・・・。歌舞伎町から離れる人々、そして景観。だからこのタイトルなんだと見終わった後に腑に落ちました。

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ストーリー

一流ホテルマンになる夢に破れ、ラブホテルの店長として働く徹(染谷将太)。プロのミュージシャンを目指す沙耶(前田敦子)と同棲しているが、最近は少々マンネリ化。そんな沙耶にプロデビューの話が持ち上がる。徹は現状に不満を募らせながらも職場に向かう。常連の風俗嬢や不倫カップル、AV撮影など職業も年齢も違うワケありの男女が次から次へと出入りし、彼らの人生が激しく交錯する中、徹の人生も予期せぬ方向へと転がっていき・・・。

 染谷くん演じるラブホテルの店長・徹と、ミュージシャンになる夢を追うあっちゃん演じる沙耶のカップルが、本作の軸となり物語が展開していきます。冒頭に若い2人のイチャイチャぶりがマンションの一室で映し出され、爽やかな群像劇かと思いきや一筋縄じゃいかないのが廣木作品。この物語はたった一日の出来事を時間軸で追っていく手法で、様々な事情の人がやってきてそれぞれのドラマを見せてくれるのですが、店を切り盛りする店長自身にもとんでもないことが次から次に起こり、最後にはやけっぱちになる染谷くんの演技がすごくよかった。余談ですが、実生活で菊地凛子と結婚した染谷くん。演技派同士の結婚生活ってどんな感じなんだろうか・・・(妄想)。それはさておき、この群像劇の中で最も肝といえるのが、韓国人デリヘル嬢イ・ヘナ役。これは想像以上に難航してヌード場面やハードな濡れ場もあるため、韓国人女優は難しいとされていたのですが、キム・ギドク監督の「メビウス」でハードな役をこなし、たまたま事務所を辞めてフリーになっていたイ・ウンウに白羽の矢が立ったのです。魅力ある脚本により、豪華な演技派俳優陣が勢揃いした本作。不器用な人々が、織りなす生々しくも愛おしい物語で最後には希望をもたせてくれる、そんなすがすがしさも得られます。カップルで観るとちょっと刺激が強すぎるかな(笑)。

データ さよなら歌舞伎町 (R15+)

  • 監督廣木隆一
  • 出演染谷将太、前田敦子、イ・ウンウ、ロイ(5tion)、南果歩、大森南朋、田口トモロヲ、村上淳
  • 公開2015年1月24日(土)~ センチュリーシネマほかで公開
松岡 ひとみ  Hitomi Matsuoka  (映画パーソナリティ)  TV、ラジオ、雑誌で新作映画をナビゲート。試写会や舞台挨拶などの司会も務める。オピ・リーナ読者に向けて、独自の視点から「デート映画」と「お友達映画」を紹介します。