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紙の月

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紙の月
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東京国際映画祭2冠受賞!
宮沢りえ7年ぶりの主演映画

 公開前から話題となっている「紙の月」。アジア最大の映画祭・東京国際映画祭コンペティション部門において、唯一の日本映画としても大変注目を浴び、観客賞と宮沢りえさんが主演女優賞を受賞。日本の作品の観客賞は2年ぶりの4度目、日本人最優秀女優賞は11年ぶり4人目の快挙です。本作は2011年に映画化された「八日目の蝉」を始め、女性を中心にバツグンの信頼性と人気を誇る直木賞作家・角田光代の同名長編小説の映画化。メガホンを取ったのは、昨年日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞した傑作「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督。原作の基本的なストーリーはそのままに、脇の登場人物や、印象的なラストを変え、銀行内部の描写を広げ、大胆に脚色して1人の女性が聖人と悪人の両面を抱えながら能動的に朽ちていく姿をサスペンスエンタテイメントとして昇華させました。

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ストーリー

舞台は1994年。梅澤梨花(宮沢りえ)は、子どもはいないが夫(田辺誠一)と穏やかな日々を送っていた。契約社員として勤務する銀行でも、丁寧な仕事ぶりで高評価。一見、何不自由のない生活を送っているようだが、自分への関心が薄く鈍感なところのある夫との間には空虚感が漂い始めていた。ある日、梨花は裕福な顧客の孫の光太(池松壮亮)と出会い、彼との逢瀬を重ねるようになる。そんな中、ふと立ち寄ったデパートの化粧品売り場で現金が足りないことに気づき、顧客からの預かり金の内の1万円を借りてしまい・・・・・・。

 先日の会見では「銀行の方に横領方法を聞き出すのが一番苦労した」と監督がユーモアのたっぷりに話していました。確かに、銀行員も横領方法は説明しにくいですよね(笑)。この映画の舞台は20年ほど前の話になるので、書類を偽装するコピー機などがかなり大きい。そんな小道具も監督のこだわりですが、瞬きひとつの動きまでチェックすることで有名な監督の細やかな演出により、妻の変化に全く気がつかない夫、夫の独りよがりな愛情表現に困惑する妻、高額なプレゼントをして年下の恋人の喜ぶ姿を眺める優越感たっぷりの笑顔などなど…台詞ではなく、主要人物の表情こそが物語の要となっていると思います。

 主人公を演じるのは7年ぶりの主演映画となった宮沢りえ。相手役となる大学生・光太には、吉田監督とは舞台でもタッグを組んでいる若手実力派・池松壮亮。そして、映画オリジナルキャラクターとなる、梨花の先輩社員で次第に梨花を追い詰めていく厳格な事務員・より子を小林聡美が、梨花の同僚で、したたかな銀行窓口係・相川恵子をAKB48卒業後初の映画出演となる大島優子が、“女性の嫌な部分”を見事に演じています。まっとうな人生を送っていた主婦が、なぜ横領に手を染めたのか。彼女が本当に手に入れたかったものは何か。本作は横領という、銀行強盗に比べたらそりゃ地味な内部犯行的な展開を見せるわけですが、地味で真面目な主婦銀行員が徐々に犯行に及んでいく姿を描くことで、1人の人間ドラマとしても見ることができ、観た後にあれこれ話をしたくなる作品なのです。

データ 紙の月

  • 監督吉田大八
  • 出演宮沢りえ、池松壮亮、大島優子、小林聡美、田辺誠一、近藤芳正、石橋蓮司
  • 公開2014年11月15日(土)よりミッドランドスクエアシネマほかで公開
松岡 ひとみ  Hitomi Matsuoka  (映画パーソナリティ)  TV、ラジオ、雑誌で新作映画をナビゲート。試写会や舞台挨拶などの司会も務める。オピ・リーナ読者に向けて、独自の視点から「デート映画」と「お友達映画」を紹介します。