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それでも夜は明ける

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それでも夜は明ける
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誰も描かなかった真実は
かつてない衝撃の感動作!

 今年、全米で最多の賞に輝き、アカデミー賞に最も近いと称される本作は、19世紀半ばのアメリカで実際に起こった衝撃的な問題作です。近年になって何本か公開されている黒人差別がテーマですが、アメリカの歴史が犯した過ちで終わらせるのではなく、きちんと受け入れていくためにもアカデミー賞の受賞をしてほしいと願っています。

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ストーリー

バイオリニストのソロモン(キウェテル・イジョフォー)は、家族と幸せな暮らしを送る自由黒人で、白人の友人も大勢いた。ある日、白人の知人の紹介で、ワシントンで開催されるショーでの演奏を頼まれる。契約後、興行主と祝杯をあげたソロモンは酔いつぶれてしまい、翌朝目が覚めると小屋で鎖に繋がれていた。身分を告げるが「お前は南部からきた奴隷だ」と宣告され、船に乗せられニューオリンズの奴隷市場へ。そして大農園のフォード(ベネディクト・カンバーバッチ)に買われていくが・・・。

 1841年、生まれたときから自由黒人のソロモンが、ある日突然誘拐されて奴隷市場に売られてしまいます。人間の尊厳を踏みにじられ、家畜同然の扱いを受けた屈辱の日々は11年8ヶ月と26日間続いたのです。人種差別の不条理な残酷さが躊躇なく抉り出され、ソロモンが白人から受けた虐待の苦痛を一緒に味わうことになり、途中から胸が苦しくなってしまいました。この手の物語ならば、中盤に手を差し伸べる人が登場して、明るい展開になっていく・・・“はず”なのに、ソロモンの生活は過酷になるばかり。ソロモンが木に吊されるリンチシーンでは背景にその他の奴隷達が写りますが、みんな見て見ぬふりで黒人の子供達は笑いながら遊んでいます。「これは日常のことで当たり前だったんだ」と、彼が観る側に訴えかけてくるかのようなシーンでした。

 そんな絶望の中でも威厳と希望を失わず、家族に会いたいというソロモンの心の強靱さ。12年間耐えて彼は「やっと夜が明ける」のです!残忍な映像が続きますが、2時間弱は彼と一緒に耐えて欲しい。なぜならその後の展開は言葉にならないほど感動があるから。本作は、実在の人物ソロモン・ノーサップの書いた自伝を元に映画化。監督はセックス依存症の男を描いた「SHAME-シェイム-」のスティーヴ・マックィーン。このようなテーマに真っ向から立ち向かう勇気のある監督が今までいただろうか。観る者誰もが当事者になったかのように映し出していく監督の才能に感心させられます。そんな彼の元に大物俳優が結集。本作のプロデューサーでありキーマン役となるブラッド・ピットに、ソロモンの最初の所有者役は今をときめくベネディクト・カンバーバッチ。また、監督とは3度目のタッグとなるマイケル・ファスベンダーが残酷な農園主に扮しています。アメリカの奴隷制度がどれだけ酷かったのかを代弁するような重要な役どころで、慈悲の欠如した男を掘り下げ、見事に悪役を演じきっています。端正で美しい映像と俳優達の迫真の演技から伝わる史実を受け止めてください。

データ それでも夜は明ける

  • 監督スティーヴ・マックィーン
  • 出演キウェテル・イジョフォー、マイケル・ファスベンダー、ベネディクト・カンバーバッチ、ポール・ダノ、ポール・ジアマッティ、ルピタ・ニョンゴ、ブラッド・ピット、アルフレ・ウッダード
  • 公開2014年3月7日(金)~ TOHOシネマズ名古屋ベイシティ、伏見ミリオン座ほかにて公開
松岡 ひとみ  Hitomi Matsuoka  (映画パーソナリティ)  TV、ラジオ、雑誌で新作映画をナビゲート。試写会や舞台挨拶などの司会も務める。オピ・リーナ読者に向けて、独自の視点から「デート映画」と「お友達映画」を紹介します。