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オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ

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オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ
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優美な吸血鬼カップルの
美しきラブストーリー

 永遠のアウトサイダーとして活躍する映像作家ジム・ジャームッシュ。インディペンデントの父と呼ばれ、各界からの熱いリスペクトを集めつつもニューヨークを拠点にマイペースで自分の作りたい映画だけを撮り続けている。これは、すべての映画監督の理想像ではないでしょうか。そんな彼が7年間あたため続けてきた本作は、吸血鬼の恋人同士を描いた究極のラブストーリー。タイトルの「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」の意味は「愛しか残らない」「2人だけが残った」と、アメリカ人の映画好きな友達が訳してくれました。映画のラストシーンにタイトルの意味がわかります。

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ストーリー

アメリカのデトロイトで人知れず暮らすアダム(トム・ヒドルストン)はアンダーグランドシーンで謎のミュージシャンとして何世紀も生きている吸血鬼。近年の自己破壊的な行いに頭を抱えていたある日、モロッコから何世紀にも渡って愛し合ってきた恋人のイヴ(ティルダ・スウィントン)が訪ねてくる。久々の楽しい再会も束の間、イヴの破天荒な妹エヴァが現れ、3人の運命はゆっくりと変わっていき・・・。

 何世紀も生き続け、吸血鬼さえ生きるのも大変な世の中になり、そこで彼らが出した結論は・・・ということが描かれていくのですが、吸血鬼といえば最近は「トワイライト~初恋~」「モールス」を思い出しますし、今までも様々な作品があります。人間を襲う怪物的な吸血鬼というのが誰もが頭に浮かびますが、本作ではアウトサイダーな生き物である吸血鬼の日常を描いているところが興味深い。彼らが人間に対してどのように思っているのか、21世紀において自分たちが生き抜くためにどうすればよいのか・・・。

 また、吸血鬼の物語を軸にして、英国文学へのオマージュを捧げているところにも注目です。吸血鬼の物語は、イギリスのロマン派詩人から生まれており、監督はそこに着目しているのです。愛し合う2人を手助けするジョン・ハートが演じるクリストファー・マーロウは16世紀にイギリスに実在した伝説の劇作家であり、シェイクスピアと同一人物ではないかと憶測される謎多き文学史上のカルトヒーロー。さらに謎のカリスマミュージシャンとして生きるアダムはシューベルトに音楽を提供していたなど、歴史の裏ネタを組み込んだ物語になっているのです。レアなギターやアンプ、モータウンやデトロイトを彩るポップ音楽史なども垣間見られます。オフビートで展開していく物語はユーモアたっぷりで、イヴお手製の血のキャンディーを食べたり、生きるための血を病院で手配する様子、現代の吸血鬼らしく遠距離恋愛の2人はテレビ電話で会話するなど、吸血鬼の日常生活も興味深く描かれています。気だるさ満点のサントラもオススメ!彼らが光りのあるところで着用しているサングラスは、監督も愛用している日本の人気ブランド「EFFECTOR」。これをかけるとさらに映画の世界観にどっぷりハマるはずですよ。

データ オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ

  • 監督ジム・ジャームッシュ
  • 脚本ジム・ジャームッシュ
  • 出演トム・ヒドルストン、ティルダ・スウィントン、ミア・ワシコウスカ、ジョン・ハート
  • 公開伏見ミリオン座にて公開中
松岡 ひとみ  Hitomi Matsuoka  (映画パーソナリティ)  TV、ラジオ、雑誌で新作映画をナビゲート。試写会や舞台挨拶などの司会も務める。オピ・リーナ読者に向けて、独自の視点から「デート映画」と「お友達映画」を紹介します。