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許されざる者

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許されざる者
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豪華俳優陣によって名作が
日本映画として生まれ変わる

 『許されざる者』というと、クリント・イーストウッド監督・主演の名作を思い浮かべますが、かつて黒澤明の『用心棒』に感動したイーストウッドが『荒野の用心棒』に主演し、そのイズムを自身の監督作『許されざる者』で継承したように、『フラガール』『悪人』の李相日監督もまた、イーストウッド版『許されざる者』にインスパイアされ、この物語を日本映画としてスクリーンに蘇らせました。それが今回公開される『許されざる者』です。

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ストーリー

1880年蝦夷の町で開拓民が若い女郎なつめ(忽那汐里)の顔を激しく切りつけ、怒った女郎たちは賞金を出して復讐を果たそうとする。遠く離れた村の金吾(柄本明)がこの噂を聞き、かつての仲間・伝説の人斬り十兵衛(渡辺謙)を誘うが、彼は3年前に亡くした妻に「2度と刀は抜かない」と誓っていた。しかし子供達との生活のために1度だけ賞金稼ぎを引き受ける十兵衛。ところが女郎達の村で冷酷な町の支配者・大石(佐藤浩市)が2人を待ち受けていて・・・。

 今回、日本映画ということで刀のアクション、女郎、アイヌ民族といった日本らしさを加味し、江戸から明治という激動の時代を駆け抜けた登場人物の複雑な心情にも切り込んでいき、「リメイク」という概念を覆す新たな名作が誕生したと言っても過言ではないでしょう。演じるのは、渡辺謙、佐藤浩市、柄本明ら日本映画界を代表する俳優陣。舞台をオリジナルと同じ1880年に設定し、同時代に未開の地・北海道を生きた男たちの物語を重厚に描きだしています。先日、監督と佐藤さんにインタビューをした際にお聞きしたのですが、監督は「斬られる側」より「斬った側」のリアクションを重視していたそうです。時代劇を見ると斬られる側のリアクションが目立ちますが、確かに殴れば殴ったほうの手も当然痛いですもの。本作では監督の細かい演出により、殺陣のシーンがとてもリアルに描かれています。

 また、意外なことに渡辺さんと佐藤さんは、本作が初共演。佐藤さんは「渡辺謙との初共演はみなさん驚くけど、同年代で、背丈もよく似ていて、クドイ顔だから、濃い顔2人のキャスティングはなかなかしないからじゃない?」なんて冗談めかして話していました。その濃い顔(笑)のふたりが繰り広げる壮絶なアクションシーンは片時も目が離せません。本作では、たびたび目を背けたくなるような残虐な暴力描写や、リアルな痛みを突きつけるシーンが登場しますが、これは「ヒーローがカッコよく悪を裁く」というクールで痛快なアクションとは異なり、“暴力”の重みと向き合ってもらいたいという監督のメッセージも込められています。この映画で描かれるアクションは決してカッコいいだけのものではありません。人を斬り、命を奪い、裁くということが、どれだけ重いことなのか、暴力の連鎖がいかに“むなしい”ものなのか、観る方々に問いかけてきます。(映画パーソナリティ・松岡ひとみ)

データ 許されざる者

  • 監督李相日
  • 脚本李相日
  • 出演渡辺謙/佐藤浩市/柄本明/柳楽優弥/忽那汐里/小池栄子/國村準
  • 公開2013年9月13日(金)~ ミッドランドスクエアシネマほか
松岡 ひとみ  Hitomi Matsuoka  (映画パーソナリティ)  TV、ラジオ、雑誌で新作映画をナビゲート。試写会や舞台挨拶などの司会も務める。オピ・リーナ読者に向けて、独自の視点から「デート映画」と「お友達映画」を紹介します。