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脳男 (PG12)

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脳男 (PG12)
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生田斗真が全身全霊で
感情のない殺人マシーンを熱演

 本作は第46回江戸川乱歩賞を受賞した首藤瓜於の同名小説を映画化。2000年に小説が発表され、監督としても活躍している成島出による脚本は出来ていたものの映画化の話が具現化したのは4年前。何度も脚本を練り直し、待ちに待った公開となりました。

 主人公の脳男こと鈴木一郎は、生まれつき並外れた知能と肉体を持ち、正義のために犯罪者を抹殺する感情を持たない殺人ロボット。この荒唐無稽なお話しは、ちょっと間違えると滑稽で漫画チックになりかねません。作り手にとっても演じる側にとっても難しい題材だったと思います。
 映画がはじまって数秒もたたないうちにゾクゾクするようなショッキングな映像に期待が膨らみ、息つく暇もなく物語が展開していき、見終わった後はぐったり。主人公、脳男こと鈴木一郎を演じた生田斗真の役者魂に驚かされました。人を人らしく見せている“感情”というものを、すべてそぎ落とされた生田斗真の演技はとても不気味。美しい外見からは想像できない内面はまるで人形のようで、感情を決して出すことはないという難役を見事にこなしているのです。

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ストーリー

都内近郊で無差別連続爆破事件が発生。刑事の茶屋(江口洋介)は犯人・緑川(二階堂)のアジトを突き止めたが、確保できたのは身元不明の男(生田斗真)だけだった。緑川の共犯者と見なされた男は、犯行の異常性から精神鑑定を受けることに。担当の精神科医・鷲谷(松雪泰子)は、感情を一切出さない彼に興味を持ち、真実の姿を探ろうとするが・・・。

 先日のインタビューで、肉体面、精神面の役作りについて伺ってみました。一郎は幼い頃から人殺しの訓練を受けているので並外れた身体能力、ムダのない鍛えられた体をつくるため、格闘技、カリ、ジークンドなど直接アクションに関係ない武術を手当たり次第習ったそうです。アクションシーンも普通と違い感情のない男なので攻撃も突発的。瞬きもせず表情なく闘う姿はほんとうにロボットみたい。鈴木一郎として闘っているうちに、本当に自分は痛みを感じない人間なのかもしれないと錯覚した、そのくらい彼は一郎に取り憑かれたように演じていたのでしょう。
 そして内面は“感情のない男”を作るため、人に会わないよう、一人で過ごし引きこもり状態で自分を追い詰め役作りに六ヶ月費やしたそうです。ああ、感情が抜けている目ってこういう目つきなんだなと思いました。

 また、本作は映像センスもすごくいい。この特異な世界観を作り上げたのはロバート・アルトマンや大島渚ら個性的な監督達と仕事してきた撮影監督栗田豊通。光や角度など映像のこだわりは、これはもう、日本映画の枠を超えています。かなり刺激が強い物語ですが、生田斗真他若手俳優達の凄まじい存在感をぜひスクリーンで確認してほしい。続編求む!(映画パーソナリティ・松岡ひとみ)

データ 脳男 (PG12)

  • 監督瀧本智行
  • 出演生田斗真/松雪泰子/江口洋介/二階堂ふみ/染谷翔太/光石研
  • 公開2013年2月9日(土)~ ミッドランドスクエアシネマほか
松岡 ひとみ  Hitomi Matsuoka  (映画パーソナリティ)  TV、ラジオ、雑誌で新作映画をナビゲート。試写会や舞台挨拶などの司会も務める。オピ・リーナ読者に向けて、独自の視点から「デート映画」と「お友達映画」を紹介します。