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アルバート氏の人生 PG12

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アルバート氏の人生 PG12
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男として生きてきた女性の
生き様を描いた感動作

 やっと公開になりました!2011年の東京国際映画祭で主演女優賞を受賞し、そして2012年にはゴールデングローブ賞&アカデミー賞で、主演のグレン・クローズと助演のジャネット・マクティアがともにノミネートされ、とても話題になった作品なのです。本作のメイン女優がアカデミー賞という狭き枠に、二人もノミネートされたのですから期待は高まるばかり。見始めて5分もしないうちに、タイトルにもなっているグレンが演じるアルバート氏に釘付けになってしまいました。

 施設で育ち、引き取った養母も亡くなり、男として生きていくことを14歳で決意したアルバート。舞台となる19世紀後半のアイルランドはとても貧しく、市民は貧困に苦しんでいたのです。今公開中の「レ・ミゼラブル」の背景と同じで、ヨーロッパは政治が安定せず、民衆はみんな苦しんでいた頃です。
 アルバートは身寄りがなく、生きていくために女の体を隠し、上流階級に人気のホテルで長い間働き、チップでもらったお金を床下に貯め、いつかたばこ屋を開く夢を持っています。同僚の可憐なメイド・ヘレンに恋心を抱き一緒に店を経営することを妄想していくくだりは、とても女性らしくキュートなのですが、彼女は男として生きてきたけれど同性愛者ではないと思うのです。自分が男で生きてきたことで、性別までもわからなくなった、つまり自分自身が何者かわからなくなってしまったのかも知れません。また、貧困への恐れも彼女のアイデンティティを失わせてしまった一因なのかも。自分らしくあるためにはどうすればよいのか?といった現代にも通じる強いメッセージも感じました。

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ストーリー

国民が貧困にあえぐ19世紀後半のアイルランド。職を得るために女性でありながら男性として生きてきたアルバート(グレン・クローズ)は、ホテルで働きながら人付き合いを避けて慎ましく暮らしてきたが、ペンキ職人ヒューバート(ジャネット・マクティア)と出会ったことで、人生の転機を迎える。

 アルバートの唯一の理解者であるペンキ職人を演じ、同じくオスカーノミネートされたジャネット・マクティアの演技も素晴らしいけど、「キック・アス」のアーロン・ジョンソン、「アリス・イン・ワンダーランド」のアリス役ミア・ワシコウスカの若手二人の存在も見逃せません。

 数々の賞に輝く大女優グレン・クローズは、1982年にオフブロードウェイで本作の舞台版「アルバート・ノップス」を演じ高い評価を受けていますが、この役をスクリーンで演じたいと、映画化実現に向けて30年間動いたそう。彼女が本当に夢をかなえるのは、観客のみなさんが劇場に行って本作を観ることです。多くの人を魅了する作品なので、ぜひスクリーンで確認してくださいね。(映画パーソナリティ・松岡ひとみ)

データ アルバート氏の人生 PG12

  • 監督ロドリゴ・ガルシア
  • 出演グレン・クローズ/ジャネット・マクティア/ミア・ワシコウスカ/アーロン・ジョンソン
  • 公開2013年1月19日(土)~名演小劇場にて
松岡 ひとみ  Hitomi Matsuoka  (映画パーソナリティ)  TV、ラジオ、雑誌で新作映画をナビゲート。試写会や舞台挨拶などの司会も務める。オピ・リーナ読者に向けて、独自の視点から「デート映画」と「お友達映画」を紹介します。