イーストウッド×ディカプリオ
最強コンビが放つ骨太ドラマ
2度のアカデミー賞監督賞に輝く名匠クリント・イーストウッドと3度のオスカーノミネートをされた実力派スターのレオナルド・ディカプリオがついに初顔合わせ! 製作段階から大注目だった本作がいよいよ公開となります。
この夢のタッグのはじまりは、「ミルク」でアカデミー賞脚本賞を受賞したランス・ブラックの脚本にイーストウッドが関心を示し、ランスのファンだったディカプリオも同時期にそのホンを読んで主演を熱望していたそう。ある日二人が顔を合わせたときに「一緒にやろう!」と話がトントン拍子に進んだとか。さすが、ハリウッドのトップメーカーたちの動きは速いネ!
アメリカ連邦捜査局、通称FBIはご存じですよね? FBIは私たち日本人にとっては映画やテレビドラマで馴染みがあると思いますが、もちろん実在するアメリカの法執行機関。本作は、20代でFBIの前身組織の長となり、以降50年もの間、権力の座に居続けた初代FBI長官ジョン・エドガー・フーバーの自伝的映画です。
コミュニスト狩りや、要人の盗聴を実行し、科学捜査を取り入れた捜査、しかしFBIに権力を持たせたこの男の私生活はナゾばかり。抑圧的な母親との異常な関係、同性愛者ゆえの苦悩などが描かれていきます。ディカプリオはエドガーの青年期から77才で亡くなるまでほぼ一生を演じていて、晩年は特殊メイクで老け役にチャレンジ。時折ジャック・ニコルソンにもみえなくはなかったのですが(笑)、彼の鬼気迫る演技にはもう、平伏するしかない。実は人間不信で気が小さいとこもあるというエドガーの憐れさを彼は全身で体現していきます。
FBI誕生のきっかけとなった司法長官宅爆破事件、飛行家リンドバーグの愛児誘拐事件。部下に命じて自身の回想録を書き取らせる老年のFBI長官フーバー(レオナルド・ディカプリオ)。彼の20代に始まり、様々な事件から浮かび上がるその実像とは・・。
時代を前後させながら、エドガーのなるべくしてなった老年期の姿と、なぜこのような偏屈な男になってしまったのかという課程を交互に見せていく脚本もお見事だし、複雑な人間性を繊細に切り込みながら描いていくイーストウッドの手腕は流石です。
政治に弱い私でも充分に楽しめましたし、エドガーを通してアメリカがどんな国なのか興味が湧くはずです。歴史的背景をしっておきたいという慎重派さんは、「フロスト×ニクソン」というアカデミー賞ノミネートされた作品で歴史的背景をおさらいしておくとより一層理解しやすくなります。 今回こそは本作で、ぜひディカプリオにオスカーをとらせてあげたい!(映画パーソナリティ・松岡ひとみ)
J・エドガー
クリント・イーストウッド
ダスティン・ランス・ブラック
レオナルド・ディカプリオ/ナオミ・ワッツ/アーミー・ハマー/ジョシュ・ルーカス/ジュディ・デンチ
ワーナー・ブラザース映画
http://www.j-edgar.jp/
2012年1月28日(土)~ミッドランド スクエア シネマほか

