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世界が圧倒された園子温の
最新作は究極の青春感動作

 刺激的な作風で、国内外から注目を集めている愛知県出身の鬼才・園子温監督が日本映画界の原石を起用し、まったく新しい視点の青春映画を生み出しました。

 1985年に「俺は園子温だ!」で80年代8ミリの旗手として登場して16年。昨年は「冷たい熱帯魚」「恋の罪」を立て続けに発表し、コアなファンだけじゃなく、その名前は多くの映画ファンに知れ渡ったに違いありません。

 映画の度に圧倒され、頭を殴られたような衝撃が走り、何度も観てしまうという中毒性がある園作品。しかし、本作はいままで以上に打ちのめされてしまった。重厚で痛々しいけどラストでは心に灯をともしてくれる、いままで観たことのない青春ドラマなのです。本作は園監督にとって初の原作ものですが、監督オリジナルに近い脚本となり、ゼロ年初頭を現代に、舞台を被災地にして、震災後に日本人が直面することになった、終わりなき非日常を生きる若者たちに焦点をあてています。

 なんといっても素晴らしかったのは主人公の中学生住田を演じた染谷将太と同級生で住田が好きな茶沢を演じた二階堂ふみ。染谷くんは、19才にして10年のキャリアを持つ若きベテラン。二階堂ふみは、作品毎に存在感を増す17才の新進女優。ふたりは、全身全霊で演じたこの役でベネチア国際映画祭で新人俳優賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)を獲得しました。
 園子温は新人俳優発掘には定評があり、いままでも吉高由里子、満島ひかりを世に送り出しています。染谷&二階堂の無防備すぎるほど感情を剥き出しにしていくお芝居がとってもいいんです。

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ストーリー

中学生の住田(染谷将太)は実家の貸しボート屋に集う震災で家をなくした大人達と過ごしていた。父は借金まみれ、母は男と蒸発。生活のために学校を休み家業にいそしむことに。彼を心配して同級生の茶沢(二階堂ふみ)は毎日様子を見に来る。そんな中、父親から暴言を吐かれ住田の感情が暴走する。

 染谷くんにインタビューした時に聞いたのは、園監督は役者をのせるのが凄くウマいということ。「もっと自由に!」と盛り上げるのですが、アメとムチの“アメ”が続くわけでもなく、突然ドカンとムチを打たれる。そのさじ加減がうまくて、監督からのお褒めを得たいがために、自分でもわからないままエスカレートしてしまったそうです。

 中盤までは心がヒリヒリしたけれど、ラストは絶望の中、一生懸命前に進もうとする二人の姿に思わず涙。「スミダ!がんばれ」という言葉が響き渡り、映画鑑賞後も、あの言葉とシーンは脳裏に焼き付いています。

 ちなみに染谷くんは、対照的な映画ですが「ALWAYS三丁目の夕日64」に、堀北真希の後輩役で出演しています。これまた山崎貴監督が、子役時代から目を付けていた逸材とおっしゃっていました。映画も衝撃的ですが、染谷&二階堂の名前はぜひこの作品をきっかけに覚えてくださいね。(映画パーソナリティ・松岡ひとみ)

データ ヒミズ

  • 監督園子温
  • 脚本園子温
  • 製作ギャガ
  • 出演染谷将太/二階堂ふみ/渡辺哲/吹越満/神楽坂恵/光石研/でんでん/窪塚洋介
  • 公開2012年1月14日(土)~センチュリーシネマほか
松岡 ひとみ  Hitomi Matsuoka  (映画パーソナリティ)  TV、ラジオ、雑誌で新作映画をナビゲート。試写会や舞台挨拶などの司会も務める。オピ・リーナ読者に向けて、独自の視点から「デート映画」と「お友達映画」を紹介します。