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アントキノイノチ

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アントキノイノチ
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生きていることを実感!
心揺さぶる感動作

 さだまさしの同名小説の映画化。過去の傷を抱え、他人との関わりに臆病になっている男女が遺品整理という仕事を通じて命の意味を実感し、再生していく姿を描いていきます。最初このタイトル聞いたとき、思わずアントニオ猪木さんを思い出して、噴き出してしまった。たしかモノマネの人にタイトルと同じ名前の人もいたっけ。しかし、中味は至って真面目で“生死”と向き合う映画です。

 過去の経験から心を失ってしまった杏平とゆき。この二人が出会うのは本作で重要な役割を果たす「遺品整理業」。孤独死した人や身寄りのない人、事情があって身内が身辺整理にこられない人に代わって部屋を片付け、遺品を仕分けするのです。
 キャストたちは実際に現場に何度も立ちあい作業を体験されたそうです。この作業描写はとてもリアルで、ふとんが黒く汚れ、ウジ虫がわいているのだけれど、飲みかけのコーヒーカップ、開いたままの新聞など死後数日たった部屋には、確かに誰かが生きていたというのがスクリーンを通じてヒシヒシと伝わってきます。
 生と死は紙一重。死に直面することで生きているという実感がわいてくる、まさに一度心が死んでしまった主人公二人の再生の場所なのです。「もう一度生きたい」と、心を通わせる杏平とゆきの姿がとても美しかったな。

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ストーリー

生まれつき吃音がある永島杏平(岡田将生)は、高校時代、ある事件がきっかけで心を閉ざしてしまうが、父親に遺品整理業を紹介してもらい働き始める。そこで出会った久保田ゆき(榮倉奈々)や仕事仲間と共に過ごすうちに、杏平は少しずつ心を開き始める。そんなある日、ゆきは衝撃的な過去を杏平に告白し、彼の前から姿を消してしまう。

 杏平を演じる岡田将生、ゆき役の?倉奈々の熱演ぶりはもちろん素晴らしいのですが、杏平の高校時代のクラスメートを演じた松坂桃李と染谷将太は注目の俳優です!
 松坂くんは、モデルから役者に転身して3年目ですが、人気、実力共に急成長している一人。立て続けにドラマに出演し、「僕たちは世界を変えることはできない」「麒麟の翼」と、本格的に映画にも進出。本作では、同級生をいじめて追い詰めていくのですが、自分もどこか怯えているという難役を見事に演じています。
 出番は少ないけれど、その存在感にビビったのは染谷くん。杏平の親友を演じ、本作のキーパーソンとなっています。最近は奇才、園子温監督の「ヒミズ」でベネチア映画祭の新人賞に値する賞に輝いた演技派。今後の活躍から目がはなせません!

 この映画を観た後、老いて死に向き合いはじめた母がふと、脳裏に浮かんだ。 たまには“死”について考えてみるのは逆に生きる活力になるのかも。(映画パーソナリティ・松岡ひとみ)

データ アントキノイノチ

  • 監督瀬々敬久
  • 出演岡田将生/滎倉菜々/原田泰造/松坂桃李/染谷将太/柄本明 
  • 公開11/19(土)~ミッドランドスクエアシネマほか
松岡 ひとみ  Hitomi Matsuoka  (映画パーソナリティ)  TV、ラジオ、雑誌で新作映画をナビゲート。試写会や舞台挨拶などの司会も務める。オピ・リーナ読者に向けて、独自の視点から「デート映画」と「お友達映画」を紹介します。