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武士の家計簿

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武士の家計簿
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刀ではなくそろばんで
激動の時代を生き抜いた武士

 今年は空前のサムライブーム。そのほとんどが我が命をかけて忠義のため壮絶な戦いを繰り返す。ところが本作は、チャンバラシーンは一切なし、刀でなくそろばんで激動の幕末を生き抜いた武士の家族のお話なのです。武士の普段の生活を柱の陰から覗き見しているようでとても興味深かった。

 原作となったのは小説でもコミックでもなく新書。日本近世史を研究している磯村道史氏が古本屋で偶然見つけた、幕末の下級武士一家の家計簿は国史研究史上の大発見で、この「金沢藩士猪山家文書」を読み解いた磯村氏による同名新書は歴史教養書としては異例のベストセラーとなり、満を持しての映画化となったのです。

 時は幕末。加賀藩で代々藩の会計処理の専門家、御算用者をつとめる猪山直之。その仕事ぶりは至って真面目で、藩内で不正が発覚したときも正面切って上司に意見をして危うく左遷になりかけてしまう。そんな直之は祖母と両親、妻のお駒とかわいい息子直吉の6人家族。下っ端侍ですが収入は意外と多かったのです。天保14年の猪山家の収入を現代価値にすると直之の父と二人で1200万ほど。今だと中流の上くらい。ところが実は多額の負債をかかえて家計は火の車。家族の食卓のシーンも多く出てきますが、そんなに贅沢をしている様子もない。では何が原因かというと「身分費用」という武士階級特有の出費で親戚づきあいがその半分以上を占めていたとか。

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ストーリー

代々加賀藩の御算用者として財政に携わってきた猪山家八代目の直之(堺雅人)。江戸時代後期、加賀百万石とうたわれた藩も財政状況は厳しく、武家社会には身分が高くなるにつれ出費も増えるという問題が生じる。直之が先頭に立ち家族一丸となって倹約生活を実行していく。

 物語は、直之が借金と向き合い借金完全返済にむけて、家計の見直しをする様をコミカルに人情味豊かに描いていきます。猪山家の人々が心を支え合って生き抜く姿は今も変わらぬ家族のカタチ。跡取り息子が徹底的な倹約しつつも両親の世話をして子育ても手を抜かず、使用人の雇用もしっかり守っている。

 見栄や執着を振り切って決断した直之とその妻の生き様から学ぶべきものはたくさんありました。キリリとした堺雅人さんのちょんまげ姿も素敵!
 さーて猪山家をみならって、来年にむけて家計の見直ししなくちゃ(笑)(映画パーソナリティ・松岡ひとみ)

データ 武士の家計簿

  • 監督森田芳光
  • 出演堺雅人/仲間由紀恵/松坂慶子/西村雅彦/草笛光子/中村雅俊
  • 公開12/4(土)~ミッドランド スクエア シネマほか
松岡 ひとみ  Hitomi Matsuoka  (映画パーソナリティ)  TV、ラジオ、雑誌で新作映画をナビゲート。試写会や舞台挨拶などの司会も務める。オピ・リーナ読者に向けて、独自の視点から「デート映画」と「お友達映画」を紹介します。